加害者両親の言葉により克明に明かされる<銃乱射事件当日> 『対峙』本編映像解禁
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銃乱射事件の被害者家族と加害者家族による緊迫の対話を描く映画『対峙』より、観る者の息もつかせぬ激論を捉えた本編映像が解禁された。
【動画】『対峙』加害者両親により克明に明かされる<事件当日>の様子
高校銃乱射事件でともに息子を失った被害者と加害者の両親の再会を描いた本作は、ほぼ全編にわたって主要キャスト4人よる密室の会話劇というチャレンジングな設定ながら、英国アカデミー賞をはじめ各国の映画賞81部門でノミネート、釜山国際映画祭フラッシュフォワード部門観客賞をはじめ各国の映画賞43部門で受賞。Rotten Tomatoesでは、批評家95%・観客90%FRESH(1月16日時点)という最高級の評価を獲得している。
米国のある高校で生徒による銃乱射事件が発生し、多くの同級生が死亡。犯人の少年もそのまま校内で自ら命を絶った。それから6年、事件で息子を殺された“被害者”の両親と、事件を起こした“加害者”の両親が、セラピストの勧めで対面することになる―。
今回、加害者両親の言葉により克明に明かされる“事件当日”の様子を捉えた本編映像が解禁された。
小さな教会の奥にある個室で、高校銃乱射事件の被害者両親と加害者両親が対面する。誰もが話の核心に切り込めないなか、「息子さんについて何もかも全て話してください」と切り出したのは、被害者の母親ゲイル(マーサ・プリンプトン)。その求めに応じ、加害者の母親リンダ(アン・ダウド)とその元夫で加害者の父親リチャード(リード・バーニー)は、息子について語り始める。
覚悟のうえで言葉を紡ぐリチャードとリンダ。それを受け止めるゲイルとその夫で被害者の父親ジェイ(ジェイソン・アイザックス)には、困惑と怒り、不安と哀しみ、共感と失望など様々な感情が入り乱れていた。そして、ついに<銃乱射事件当日>のことが明かされる。
本編の約7割を占める4人による対話の中に、回想シーンなどの映画的手法は一切使われていない。観る者は会話のみを通じて4人の関係、過去と現在、それぞれが抱く想いを少しずつ知ることになる。監督・脚本のフランは、会話の全てがスクリーン上にリアルタイムで展開する構成にしたかったといい、「回想シーンや便利な映画的手法を使わないことで、人生のすべてをかけた対話に臨む彼らに敬意を表したいと思ったんだ」と語る。
息もつかせぬ緻密な会話劇が展開される本作は、8つの脚本賞を受賞。かねてから出演を確約していた『ザ・メニュー』などのベテラン俳優リード・バーニーは、脚本を読んだ時の感想として「ものすごくパワフルだった。ディテール、態度や仕草のニュアンス、人間関係の複雑さに驚かされた。ベテランの脚本家ですらなかなか書けないような見事な脚本を、フランはデビュー作でいきなり書いたんだ」と手放しで称える。
映画『対峙』は、2月10日より全国公開。