リュック・ダルデンヌ監督最新作『トリとロキタ』、ふたりの友情を断ち切ろうとする世界を捉えた緊迫の本予告解禁
映画『トリとロキタ』より、本予告が解禁された。麻薬の運び屋で生計を立てている幼いトリとロキタの揺るぎない友情と、それを断ち切ろうとする冷たい世界が映し出されている。
【動画】残酷な世界に胸が締めつけられる『トリとロキタ』本予告
本作は、2度のパルムドール大賞受賞をはじめ、世界中で100以上の映画賞を受賞しているベルギーの名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作。
本予告は、ロキタがトリの学校の終わりを待ち「会いたくなった」とじゃれ合う様子や、ふたりで仲むつまじく歌うシーンから始まる。しかし、そんな明るい様子から一転、トリは「どうして(ロキタの)ビザがおりないの?」と面接官に尋ねるが、「力になれない」と突き放されてしまう。
ふたりはアフリカからやってきて、ベルギーを目指す道中で出会った偽の姉弟。祖国にいる家族への仕送りのため、ビザを取得し正規雇用に就くことを望むロキタ。現在はトリと共に麻薬の運び屋をすることで生計を立てており、警察に目をつけられるなど常に危険と隣り合わせの暮らしをしている。「ビザさえあれば働けるのに、どうしておりないの」とロキタが嘆くと、「僕らが邪魔だから」とトリが答える。
ある日、ロキタは稼いだ金を、密航をあっせんした仲介業者に奪われる。一刻も早くビザを手に入れようと、ロキタは運び屋よりもさらに危険な仕事に手を出してしまう。目隠しされて連れてこられたのは暗くて怪しい倉庫のような場所。果たしてロキタは何をすることになるのか。
そして精神的に不安定なロキタを支えるためそばにずっといたトリは、命の危険を顧みずロキタの元へと向かう。「ぼくが守る」とロキタの手を握るトリ。再会したふたりに生き抜く道はあるのだろうか―。本予告からは、シンプルでいてこれまでにないダルデンヌ兄弟の強靱(きょうじん)な傑作の断片を見ることができる。
また、ダルデンヌ兄弟の6年ぶりとなる来日も決定。2月28日に東京都内で開催されるプレミアイベントには監督の登壇も決まった。監督にQ&Aで質問できる貴重なイベントとなり、2017年に行った「#おしえてダルデンヌ」の企画も再び開催。「好きなお菓子は何ですか」「アニメーション作品は観ますか?」といった簡単な内容から「どうしたらあんなにリアルな演技を引き出せられるのですか?」といった映画に関する質問まで、たくさんの質問が寄せられた好評企画だ。本日より公式ツイッター、Facebookから参加できる。
映画『トリとロキタ』は、3月31日より全国順次公開。