レア・セドゥ、初めての“ごく普通の女性”役 キャラクターを気に入り出演快諾 『それでも私は生きていく』新カット解禁
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レア・セドゥがシングルマザー役で主演を務めるミア・ハンセン=ラブ監督最新作『それでも私は生きていく』より、娘と手をつなぐ姿や恋人に心も体も預けていく姿など、ヒロインの等身大の魅力があふれるシーンを切り取った場面写真7点が一挙解禁された。
【写真】身も心も恋人に預けていくヒロイン レア・セドゥの新カット解禁
本作は、『未来よ こんにちは』で第66回ベルリン国際映画祭銀熊(監督)賞を獲得したミア・ハンセン=ラブ監督の最新作。監督が、自身の父親が病を患っていた中で脚本を書いたという自伝的作品だ。父の病に対する“悲しみ”と、新しい恋の始まりに対する“喜び”という正反対の状況に直面するシングルマザーの心の揺れを繊細に描き出す。
サンドラは通訳者として働きながら、パリの小さなアパートで8歳の娘リンとふたり暮らしをているシングルマザー。彼女の父ゲオルグは病を患い、徐々に視力と記憶を失いつつある。仕事、子育て、そして父の介護。長年自分のことどころではなかったサンドラだったが、ある日、旧友のクレマンと偶然再会し、自然と恋に落ちる。心身ともに充実した日々を送るようになる一方で、父の病状は徐々に悪化していき…。
主演は、『007』シリーズで2作続けてボンドガールを務めるなど国際的に活躍するフランスの俳優レア・セドゥ。監督が主人公にレアをイメージして当て書きしたという本作で、ヒロインの複雑な心の機微を見事に表現し新境地を開拓した。
今回解禁された場面写真は7点。サンドラが柔らかい笑顔で娘リンと手をつなぎながら歩く姿や、父ゲオルグの病室で彼のベッドに寝そべり話に耳を傾ける場面、恋人クレマンに心も体も預けていく様子などが切り取られており、セドゥがサンドラというキャラクターを肩肘張らずナチュラルに演じていたことが伺えるカットとなっている。
セドゥは、現代を生きるひとりの女性の等身大の姿を繊細に描き出している本作について「こういうごく普通の女性を演じるのはこれが初めてです。欲望の対象としてや、ミステリアスで近づきがたい人物として見られることがないキャラクターを演じること自体が初めてかもしれません」とコメント。脚本を読んでサンドラのキャラクターを特に気に入り、すぐに出演を快諾したと明かす。
そして「脚本にはシンプルでありながらリアルな感情があり、ものすごく心に響いたんです。すぐにその感情の中心に入り込むことになりました」と振り返り、「サンドラを演じる上で、病を抱えた父親との関係、新しい彼との関係という全く違う感覚を表現する必要がありました。それは死と生についてです。芽生えた愛は、サンドラの中のタナトスに対抗するような形でピンク色に染まっていく。それがこの映画に非常に強力な感情を与えていると思います。サンドラは常に痛みを抱えていて、これが私だったらもっと声を荒げていたかもしれない。でも、彼女はそれをすべて受け入れていて、それが彼女をとても感動的な存在にし、ある種の威厳を与えているのです」とキャラクターの魅力を解説した。
本作には、監督自身の父親との関係、さらに個人的な経験も多く盛り込まれている。そのことについて「サンドラというキャラクターはミア(監督)の分身のようで、ある意味で実在する女性でもあります。彼女が経験した感情であり、出来事でもあります。こういう場合、役柄へのアプローチ方法は架空の役の時とは違ってきます。なによりも監督の想いを裏切りたくなかったし、彼女が経験したことをそのまま残したいと思いました」と語り、「実は、映画に私自身の私生活にまつわることをいくつかを取り入れています。でも、それが何かは秘密です(笑)」と明かしている。
なお今回、本作のアザービジュアルチラシが、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか一部の上映劇場にて公開初日よりプレゼントされることも決定(数量限定)。チラシは、サンドラが頬づえをつきながら柔らかな表情で真っすぐ前を向く姿と、うつむく姿を上下に配置したデザインとなっている。
映画『それでも私は生きていく』は、5月5日より全国順次公開。