是枝裕和監督、坂本龍一さんに感謝「ご一緒できたのは自分にとって誇り」
映画
関連 :
是枝裕和監督が8日、都内で行われた映画『怪物』完成披露試写会舞台あいさつに、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、中村獅童、脚本の坂元裕二とともに出席。3月28日に亡くなった坂本龍一さんへの感謝を口にした。
【写真】髪色を明るくイメチェンした安藤サクラ
本作は、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールに輝いた是枝監督と、『花束みたいな恋をした』『大豆田とわ子と三人の元夫』などの脚本家・坂元裕二、そして音楽には坂本龍一さんというコラボレーションで紡がれるヒューマンドラマ。
是枝監督は坂本さんに音楽を依頼した経緯を「撮影場所が諏訪に決まって、描かれる脚本に風景が明快になっていったときに、『夜の湖に坂本さんのピアノが響くといいな』と。撮影中も編集しながら坂本さんの曲を仮当てさせていただいた」と説明し、「撮影が終わった段階で編集したものを、仮当てした音楽と一緒に手紙を書いてオファーしました」と語った。
坂本さんからは「全部を引き受ける体力は残っていないけども、見させていただいてとても面白くて、音楽のイメージが何曲か浮かんでいる。形にしてみますので気に入ったら使ってください」と手紙が返ってきたという。是枝監督は「2曲作っていただきました」と明かし、「『今まで発表された曲を使って構いません』というお話だったので、『12』というアルバムからも数曲選ばせていただいて、仮当てしていた曲も使わせていただいた」と坂本さんとのやり取りを明かした。
是枝監督は「亡くなられたのは本当に残念ですけども、最後にこういう形でご一緒できたのは自分にとって誇りです」としみじみ。作品にとって坂本さんの音楽が必要だった、とかみしめ「本当に感謝しています」と語った。
安藤は『万引き家族』に続き、二度目の是枝作品の出演。オファーを受けたときのことを「受けたときはずいぶん前で、『万引き家族』に出演させていただいてからそんなに時間が経っていなかった」と明かし、「こんなにも早く監督からお声掛けいただけるとは思ってもいなかったので、すごくうれしかったんですけど、その反面、監督の現場にすぐ戻ること、坂元さんの脚本であること…そのハードルを高く感じてしまって」と振り返る。
覚悟を決められない時間が長かったと明かしながらも安藤は、「現場に参加して、完成した作品をスクリーンで見たときに、本当にそのときの自分を一発殴ってやりたいような（気持ちになった）」と告白。続けて「本当に参加できてよかったな、と。自分の想像を遥かに越えた作品に出させていただけて、映画を見た一員として、この映画に感動して涙が止まらなかったです」と思いを口にした。
映画『怪物』は6月2日より全国公開。
