『THE DAYS』小日向文世「当時の総理を演じられるのは最初で最後」 難役への挑戦を語る
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現在配信中の役所広司主演のNetflixシリーズ『THE DAYS』で、実在の内閣総理大臣をモデルにした役どころを演じた小日向文世が、難役への挑戦について振り返った。場面写真も併せて解禁された。
【写真】事故発生時の内閣総理大臣を演じる小日向文世
全8話からなる本作は、東京電力福島第一原子力発電所事故という国家存亡の危機を、入念なリサーチに基づき、日本政府、巨大企業、原発所内の3つの異なる視点から克明にとらえた重層的なドラマ。企画・脚本・プロデュースは増本淳。西浦正記と中田秀夫がダブル監督を務める。
2011年3月11日、東日本を襲った巨大地震と大津波は甚大な被害をもたらした。福島第一原子力発電所は全電源喪失という未曽有の危機に直面。全6基のうち4基の原子炉が制御不能となり、国際原子力事象評価尺度でチェルノブイリと同じく最も深刻な”レベル7”に分類された史上最悪の原発事故となった。
本作で事故発生時の内閣総理大臣を演じたのは実力派俳優の小日向文世。誰もが実在の人物を想起する難しい役どころのオファーを受けた小日向は「3.11の時の首相を演じることは経験できないですし、最初で最後だと思いました。当時の首相の原発対応の様子は報道で知っていましたが、実際のところはどうだったのかという興味もありました」と、ためらうことなく出演を決めたことを明かした。
テレビ報道で見た惨状を「どこかで参考にしていた部分もある」と振り返りながら、「まずは台本の首相の言葉、局面局面においての行動を確認し、監督の要求に応えていきたいと思いました」と語るように、刻一刻と変わる状況下で常に迅速な対応を求められた首相の言葉が記された台本を頼りに、監督の演出に向き合っていった。
緊急事態下で穏やかな表情を見せる場面は少なく、ほとんどのシーンでいらだちや焦燥感をあらわにする演技が求められた。「イライラの局面がどんどん重大になっていくのに合わせ、強弱やリアリティーをどうやって出していくか。見ている方に、それだけ大変なことが刻一刻と迫っていることが伝わればいいなと思っていました。当時の首相がどうやって危機を回避しようとし、国民を救うことに必死になっていたことを腹の中において、丁寧に演じなければと思いました」と小日向。「ドラマをご覧になって『なんて非常識な総理なんだ』と思う方もいるかもしれないけれども、彼は彼なりに必死になって、それこそ死ぬ覚悟で日本を守ろうとしたんじゃないかな」と、誰も体験したことのない事態に直面しながらも、懸命に自らの役割を全うしようとした総理の心中を思いやった。
解禁となった場面写真は、小日向演じる総理大臣の緊迫した表情を捉えた5点。首相官邸で国旗を背景に険しい顔で電力会社の報告を受け、危機管理センターでの会議中も刻一刻と状況が悪化する各所からの報告にいら立ちを隠さない。原子炉建屋の爆発を報じるテレビ中継を目の当たりにしてぼうぜん自失となった瞬間も初公開された。
さらに、オンラインで結ばれた東京と福島の会議の距離感にいら立ち、混乱を極める現場ヘとリコプターで急行した総理の厳しい表情を捉えた写真が続く。福島での陣頭指揮を決断したこの行動は当時賛否を呼んだことが思い出される。
極めつけは、役所広司が演じる、原発の暴走を止めるために奔走し続けている事故現場のリーダー・吉田所長と相対する場面。予期せぬ総理の訪問に戸惑いながらも粛々と報告する吉田と、ぶぜんとした表情の内閣総理大臣の対比が印象的な1枚となっている。
Netflixシリーズ『THE DAYS』は、Netflixにて独占配信中。
