ポール・マッカートニー、ビル・ワイマンらミュージシャンが映りこむ! 映画『金持を喰いちぎれ』“無駄に豪華”な出演者たち
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1987年に製作された英国産社会派ブラック・コメディ『金持を喰いちぎれ』(7月14日公開)より、レミー(モーターヘッド)、ポール・マッカートニー(ザ・ビートルズ)、ビル・ワイマン(元ザ・ローリング・ストーンズ)、シェイン・マガウアン(ザ・ポーグス)ら“無駄に豪華”な出演者が大量発表された。
【動画】モーターヘッドのレミーはサウンドトラックも担当! 映画『金持を喰いちぎれ』予告編
本作は、「無能な者が権力者になる」というこの世の摂理に切り込み、あらゆる差別とヒエラルキーを吹き飛ばして見事に散った社会派超怪作。
監督は、イギリスの社会風刺コメディ番組『ザ・コミック・ストリップ』でポストモンティ・パイソンとして注目を浴びた英国コメディ集団コミック・ストリップの一員であるピーター・リチャードソン。1987年の初公開時、その強烈な社会風刺を効かせた過激な内容が理解されず空振りしてしまったが、このたびデジタルリマスターにより新たに息を吹き返し、7月14日より公開される運びとなった。
製作総指揮は『ロッキー・ホラー・ショー』や、ポリス、XTC、ディーヴォなど出演の音楽映画『Urgh! A Music War』を手掛けたマイケル・ホワイト。主演にはラナー・ペレー、元ヘヴィ級プロ・ボクサーであり、007シリーズのスタントのほか『荒野の用心棒』にも映っているノッシャー・パウエルが上流階級の内務大臣にふんしている。
ロンドンで最も金持ちの集まる高級レストラン<バスターズ>でウェイターとして働くアレックスは、いけ好かない客やマネージャーにいびられクビになり、身寄りも友人も家もなく社会の最下層に沈んでしまう。一方、同じくロンドンでは、乱暴で下品だが実行力のある上流階級で超タカ派の内務大臣・ノッシュがテロリストのゲリラアタックを単身素手で解決、大人気となる。ソ連のスパイである英国情報部司令長官はノッシュに女性スキャンダルの罠を仕掛けるが、送り込まれた高級コールガールは一発でノッシュの子をはらむ。
アレックスは底辺部隊を組成し、彼らを率いて<バスターズ>に突撃、怒りの弓矢が次々と金持ちの胸を射抜く。そして部隊はレストランを<イート・ザ・リッチ>に改名し、徹底的に金持ちをコケにする商法で大繁盛させる。噂を聞きつけた英国首相やノッシュもレストランを訪れ、振る舞われるミンチ肉料理に舌鼓を打つ。だが<イート・ザ・リッチ>の誰にも言えない秘密とともに、最上位と最底辺の対決のときが迫っていたのだった…。
このたび、“無駄に豪華”な出演者が大量発表。本作のサウンドトラックも担当し、40年間活躍し続ける暴走ロックンロールの帝王・モーターヘッドのベーシスト兼ヴォーカリストのレミー(極悪レミーとも呼ばれている)は全編に渡り出演、ライブシーンも披露している。
1982年ロンドンで結成されたケルティック・パンク・バンド、ザ・ポーグスのボーカルであり、近年ではジュリアン・テンプル監督/ジョニー・デップ製作によるドキュメンタリー映画『シェイン 世界が愛する厄介者のうた』(2020)が制作され話題を呼んだシェイン・マガウアンが、大使館を襲撃するテロリスト役で登場し「自由と権利を! 圧制者を打倒せよ!」と叫ぶ。
自身が立ち上げたレコード・レーベル、I.R.S.レコードでR.E.M.やクランプス、デッド・ケネディーズなどをリリースしたほか、スティングがリード・ボーカルをつとめるバンド、ポリスのスチュワート・コープランドの兄であり、ポリスのマネージャーだったマイルス・コープランドが登場し、レストラン<バスターズ>で「黒人をクビにして共産主義者を雇おう」と言う。
1974年にイギリスで結成されたパンク/ニューウェイヴバンド、ストラングラーズのギター、ヒュー・コーンウェルと1960年代スウィンギング・ロンドン時代の歌姫サンディ・ショウがカップル役で出演。監督のピーター・リチャードソンとデヴィッド・ボウイの元妻アンジー・ボウイが夫婦役で出演する。
さらに、ポール・マッカートニーが、晩餐会で乱闘に巻き込まれる役どころで登場。“ザ・サン”紙の新聞記者を演じているのが、テレビトーク番組ホストでピアノ奏者でもあるジュールズ・ホランド。『ハリー・ポッター』シリーズでルビウス・ハグリッドを演じたロビー・コルトレーンの腹には矢が突き刺さる。
レストラン<イート・ザ・リッチ>で「トイレに行く」と席を立つのが、当時ザ・ローリング・ストーンズのベーシストだったビル・ワイマン。レストラン<バスターズ>の性格の悪い色男マークは、大ヒットホラー映画『ヘル・レイザー』でパズルボックスを解いてしまった男フランクを演じたショーン・チャップマン。「保健社会保障省」窓口の派手で意地悪な女性は、『クライングゲーム』でIRAの女性メンバー、ジュードを演じたミランダ・リチャードソン。
作品のテーマに賛同したと思われるこれらの超豪華アーティストたちが、言われなければ分からない役、もしくは少しの登場にもかかわらず強いインパクトを残す役などで大挙カメオ出演している本作。製作から36年、なぜいま、これがリバイバルされるのか。その答えをスクリーンで確かめたい。
映画『金持を喰いちぎれ』は、7月14日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開。ほか全国順次公開。