ジャニーズ会見司会者、“NGリスト”についてコメント発表
ジャニーズ事務所が2日に行った記者会見をめぐり、特定の記者を指名しないための“NGリスト”が存在したとされる一部報道があった問題で6日、当日会見の司会を務めた松本和也がコメントを発表した。
【写真】11月30日をもってジャニーズ事務所を退所する岡田准一
このNGリストを巡る報道については、ジャニーズが公式サイトで「弊社記者会見に関する一部報道について」としてコメントを掲載。同社はリストについて、会見を委託したコンサルティング会社が持ってきたものであるとし、打ち合わせの際に井ノ原快彦が「これどういう意味ですか? 絶対当てないとダメですよ」と指示したとし、「指名をしない記者を決める等も全く行なっておりません」「弊社は誰か特定の人を当てないで欲しいなどと言うような失礼なお願いは、決してしておりません」と説明していた。
6日、司会を務めた松本がコメントを発表し、司会中に「記者の顔写真入りのリスト」を持っていたことは認めながらも、会見でNGリストに沿って記者を指名してはいないこと、さらに、会見中に松本が発してSNSなどで議論となっている「顔を覚えられなくなってきました」という発言の真意について、説明している。
以下、コメント全文。
皆様
記者会見の司会をしておりました松本です。
これまで、ジャニーズ事務所さまとFTIコンサルティングさまから発表されたコメントで間違いはないのですが、その後の報道や、メールなどでお問い合わせいただくことの多い以下の三点について、私からも具体的にご説明したいと思い、コメントさせていただきます。
1. 報道されている「記者の顔写真入りのリスト」は司会のとき持っていたのか
2. 指名はそのリストにそって行ったのか
3. 私が、指名の途中に「顔を覚えられなくなってきました」といったのは、リストにある人の顔を当てないようにするためではないのか
以下、お答えして参ります。
1. 報道されている「記者の顔写真入りのリスト」は司会のとき持っていたのか
FTIコンサルティングさまから発表された通り、私の手元にありました。スタッフの人から会見の30分ほど前に渡され、顔写真が載せられているうちの何人かの記者やリポーターの方の座っている場所も伝えられました。
しかしその際、この順番でこの人に聞くようにという具体的な指示はありませんでした。
2. 指名はそのリストにそって行ったのか
行っていません。理由は、会見2日前の打ち合わせのときに、この記者は指名NGというやりかたはよくないという旨の井ノ原さんたちの発言を直接聞いていたからです。どんな厳しい質問に対してもできる限りきちんと答えたいという姿勢がはっきりと見られたので、会見ではそれを尊重すべきだと思ったからです。
そこで私は、会見が始まってすぐ、リストはないものとして進行することに決めました。
私が当日の司会のときに心がけていたのは、大きく二つでした。
1つは、2時間という限られた時間で多くの人に質問していただくため、一社一問の原則を守っていただき、端的な質疑になるよう導くこと。もう1つは指名はできる限り偏りのないようにすることでした。
一社一問の制限には議論のあることは存じています。ただ、そこは司会の立場の私には関われないところであり、決められた制約の中で、最善の進行をするしかないと思っていました。
指名のしかたは、私の判断で記者席全体をおおよそですが、9つのブロック(縦に3ブロック、横に3ブロックのマトリクスのイメージです)にわけ、一ブロックに一人指名したら、別のブロックにという形を繰り返すようにしました。最初は私から見て前寄り左側、次に前寄り真ん中、そして前寄り右側に座っている方の中から一人ずつ指名するようにしました。こうすることで、座っている位置の上での指名の偏りをなくすように努めました。
またあくまで見た目ですが、同じような属性(性別、年齢層など)の方が続かないようにもしていました。あくまで見た目での判断なので、完全にできたとは思いませんが、これを最後まで続けました。
この原則に則る中で、最初のほうは、同じブロックの中でも生中継のテレビの方は、わかる範囲で、先に指名していました。そのほうがそれぞれの中継放送の時間に間に合い、質問がオンエアされやすいと思ったからです。以降はその制限を外して指名しました。
そうしているうちに前方に座っていた記者の方のお二人が「指名されないのはおかしい、茶番だ」という声が出ているのも聞こえていました。
ただ、私からはそのお二人は指名されなくても大声で質問を繰り返し、東山さんや井ノ原さん、弁護士の方がそれぞれその質問に答える場面があったのを確認したため、最初の原則に則り、二度と指名はしないことにしました。アメリカではこのような会見の方法はない、というご意見も聞こえましたが、それもあの限られた時間の場では議論すべき点ではないと思い、別の方を指名するようにしていました。
追加質問は受け付けるべきだという声があるのも存じていますし、その必要性もわかっています。実は今回も追加質問をされている方を制止しなかったことも何度かあったと思います。それは、端的な質問のあと、登壇者の回答に対し、再び端的な質問をされたため、トータルの時間は長くなっていないと判断したためです。
また、目はあっていたけれど指名されなかったという記者の方の声も、ネットニュースで読みました。こればかりは、指名できなくて申し訳ありません、と率直に申し上げます。といいますのも、先に申し上げたとおり、なんとか偏りがないよう、「前に指名した方とは違う属性の方を選ぶ」という基準でその場その場で判断していたため、そうなってしまったのだと思います。
ただ、厳しい質問をする方を避けようという思いは全くなく、どなたが厳しい質問をするのか、そもそも厳しい質問とはなにかという部分も考えないようにして、とにかく偏り無く、端的に進行していくという一点に仕事の目標を置いていました。そこはご理解いただければ幸いです。
3. 私が、指名の途中に「顔を覚えられなくなってきました」といったのは、リストにある人の顔を当てないようにするためではないのか
この私の発言は皆さんの誤解を招くものだったと反省しています。この発言は、一度指名した方を指名しないよう覚えていなければならないのに、それが判別しきれなくなったという意味でした。
というのも、会見も後半になるとお恥ずかしい話ですが集中力が切れてきたのか、既に指名した方が見分けにくくなってしまい、特にマスクをした方などは皆同じ顔に見えるような感じになってきました。そこで思わず「顔が覚えられなくなってきました」と言ってしまいました。その発言のあと、ある女性を指名しようとしたとき、「(指名は)初めてですよね」と言っていることからも、一度指名した方を指名しないようにという意図だったことはわかっていただけると思います。
決してリストに載っていた顔が覚えられないという意味で言ったのではないことは、はっきりさせておきたいと思います。
以上が私の回答です。水曜以降、電話は鳴り続け、夜中まで次々と記者の方が自宅までお越しになり、今日も家の近くで記者の方らしい人がずっと立っています。お仕事ですからしかたないとは思いますが、上記のような回答でご納得いただければ幸いです。
このコメントで、私からの情報発信は最後といたします。以後は、FTIコンサルティングさまにお問い合わせいただければ幸いです。ご協力をお願いいたします。
株式会社マツモトメソッド 松本和也