『東京タワー』原作者・江國香織、永瀬廉・板谷由夏は「もう…美しかったです」 3ショット鼎談で語る
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――「(東京タワーが)苦手よ」という詩史さんのセリフ然り、永瀬さんと板谷さんにとって印象的なセリフはありますか?
永瀬「『詩史さんはいつだって一瞬にして僕を幸福にするんだ』――透の真っ直ぐさ、ピュアさが表れていて、どんどん詩史さんへの思いが高まっていくのが感じられて好きです」
板谷「私は『人と人は空気で惹かれ合う』というのがすごく好きです。なんとなく恋愛したり、恋したりすると、その感覚はわかるけど、ちゃんと文章になってみると、あらためて、はっ! としました。そうか、“雰囲気”じゃなくて“空気”か、と」
江國「それ、うれしいです」
永瀬「あと、もう少し話が進んだところで透が詩史さんに言われる言葉もあるんですけど、それは決してイヤな言葉ではないはずなのに、透にしてみたらすごく心をえぐられるというか…。だから読んでいて印象に残っています」
江國「切ないですよね…(笑)」
永瀬「そう、詩史さんは…本当にひどいです(笑)」
江國「たしかにひどい!(笑)」
板谷「(笑)」
永瀬「このドラマでは透目線で話が進んでいくので、見ている方々にも透の立場から物事が見えていると思うんです。詩史さんが本当のところ何を考えているのか深くはわからないという中で、こんなこと言うんや、こんな態度するんや、と透がかき乱される感じがすごいんです!」
江國「私も書きながら、ひどいなと思ってましたよ(笑)。でも一方で、女性2人(詩史、喜美子)はやっぱり切ないでしょう? 大人としての葛藤や相手への思い…今回の脚本を読ませていただいて、そういう部分も強く描かれているな、って思いました」
――今回のドラマではそういった青年たちの自立や成長といった部分もテーマになっていて、そこも江國さんの原作とは1つ違った部分かと思いますが、そのあたりはいかがですか?
江國「すごく新鮮だと思いました。小説を書いたときには、どちらかというと女性2人のどうしようもなさ、切なさをメインに描いていて、男性2人のほうはちょっと野放しにしていた感じがあったので、今回はそちらにフォーカスされていて、新鮮でした。すごく面白いと思ったので、もしもドラマを見て小説を読んでくださる方がいたら、合わせ鏡のように楽しんでいただけるのではないかと思います」
永瀬「透だけではなく、耕二も物語が進むにつれて成長していく気がします。透にとっても耕二の存在は大きく、真逆の描かれ方をしていく2人ですけど、同じことで悩んだり、悲しんだりしながら、より絆が深まっていくような気がしています」
江國「透と詩史、耕二と喜美子がどんな物語を描き出してくれるのか、とても楽しみですし、今日撮影の様子を見せていただいて、ますます楽しみになりました!」