ONE OK ROCK・Taka×飯田和孝P、変革を求める2人が語るエンターテインメントの役割と可能性/『御上先生』対談後編
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飯田:Takaさんとお話ししていると、その根底に「他者へのリスペクト」が強くあると感じます。VaundyやAwichと行った世代をまたぐ対バンライブや、Official髭男dism・藤原聡さんとのフィーチャリング、今回の主題歌はpaleduskのDAIDAIさんが参加していたりなど、年下のアーティストとの関わりも印象的ですが、音楽性・技術・人間性といった面で、どのようなことを意識されていますか?
Taka:それで言うと、「御上先生」と同じかもしれませんね。僕自身、昔は自分が怖かったし、つらかった。だからこそ、僕の経験に過ぎませんが、歳下の子たちもきっと似たような感情を抱えているんじゃないかと思うんです。今どき中学校の部活で先輩が後輩をいじめるような上下関係の価値観って、もう時代遅れ。むしろ、上に立つ人間こそ、誰よりも優しく、そして誰よりも厳しくあるべきだと思っています。ただの偽善やポーズではなく、本気で相手と向き合うことが大事。年齢やキャリアに関係なく、全身全霊で人と向き合う。それは常に意識していますね。
飯田:世界で活躍される中で、若い世代に思いを継いでいくような意識があると感じます。自分たちが活躍することだけでなく、次の世代を見据えているというか。年齢やカテゴリーを飛び越えて、日本の社会やクリエイティブの世界において、まだうまくデトックスしきれていない部分を、Takaさんは意識的に循環させようとしているのかなと。
Taka:このドラマでもまさに描かれていますが、大切なのは“抜本的な改革”ですよね。そういう部分にも強く共感しています。今あるものを少しずつ良くしていくのには限界があって、根本から変えなければならない。時間はかかるし、大変な道のりですが、それこそが本当に必要なことだと思っています。
飯田:素敵なお話に本当に胸を打たれました。最後にぜひ、視聴者の皆さんにメッセージをいただけますでしょうか。
Taka:ドラマが本当に素晴らしくて、僕らはただ主題歌として参加できるだけでも光栄に思っています。今の世界を見渡したとき、本当にいろいろと考えなければならないタイミングにあると感じます。エンターテインメントの世界でも、本気で向き合い、命懸けで作品を作っている人たちがいる。それはテレビの世界でも、バンドの世界でも同じで、そうした人たちが手を取り合いながら、少しでも世の中を良い方向に進められたらいいなと願っています。僕が言うのもおこがましいですが、ただドラマを“見る”だけではなく、現実の世界と、自分と重ね合わせながら、自分ごととして見ていただけたらうれしいです。
日曜劇場『御上先生』は、TBS系にて毎週日曜21時放送。