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実写『リロ&スティッチ』プロデューサーが制作裏を語る! アニメからの変更点&スティッチの可愛さの秘密などを大解剖

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映画『リロ&スティッチ』のプロデューサー、ジョナサン・アイリック
映画『リロ&スティッチ』のプロデューサー、ジョナサン・アイリック (C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 全世界でオープニング初週末に3億6130万ドルを売り上げ、同日公開の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニ』に大差をつけて堂々ナンバー1ヒットとなったディズニー実写映画『リロ&スティッチ』。その勢いは留まることを知らず2週連続No.1を達成! 実写版『リロ&スティッチ』のプロデューサーで、製作会社ライドバックの共同CEOであるジョナサン・アイリックは、『アラジン』(2019)や『ホーンテッドマンション』(2023)といったディズニーの大作の他、2020年のアカデミー賞で3部門にノミネートされた『2人のローマ教皇』などを手がける今ハリウッドで最も勢いのあるプロデューサーの一人だ。そんなアイリックに、新作『リロ&スティッチ』の製作裏話や、ディズニーのエコシステムのキャラクターや作品作りへの影響について聞いた。

【写真】おめめキラッキラ!! 実写版のスティッチがかわいすぎる

■現実世界ではリロ&ナニがどうなるのかじっくり考えた

――アニメーション映画をベースに実写のストーリーラインを構築するにあたり、クリエイティブ的に最も注意を払ったことは何ですか?

ジョナサン・アイリック(以下、アイリック): アニメーションから実写に切り替えた瞬間、人間の俳優にこそ体現させるべき感情や物語は何かということに目を向ける必要がありました。まず最初にナニとリロという二人の姉妹の関係について、そして彼女たちの経験が実際、現実世界ではどのようになるかについてじっくり考えました。両親を亡くすということ、ハワイの社会福祉サービスでの経験、彼らが一緒に居続けることができるかといったことを。そして、それがある種実写化するにあたり変化につながったと思います。

例えば、ケコア夫人は実写版の新しいキャラクターです。素晴らしいことに、オリジナルのナニの声を担当したティア・カレラを呼び戻してこの役を演じてもらうことができました。ケコア夫人は、この2人にとって一番良いことを心から願うハワイのソーシャルワーカーの良い例といえるでしょう。だから彼女はリロやナニが置かれた状況に共感し、できる限り手助けしようとしているのです。しかし同時に、彼女にはやるべき仕事があり、その現実を本作できちんと描くことが重要でした。

そして、トゥトゥのキャラクターもそこから生まれた新しいキャラクターです。ハワイ人の脚本家が脚本開発の初期段階で私たちに言ったことが発端となりました。ハワイで育った彼によると、もし両親が亡くなったら、ハワイはとても家族志向でコミュニティ志向な場所なので「彼らを助けようと手を差し伸べる人がいるだろう。彼らは一人にはならないだろう」と。彼はこの新たな隣人キャラクターのトゥトゥを提案し、実際、ナニのキャラクターをも少し変えることになったのです。

映画『リロ&スティッチ』場面写真 (C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
つまり、彼女(ナニ)を助けてくれる人が現実に誰もいないというわけではなく、彼女が実は助けを受け入れるつもりがないということなのです。彼女は、自分一人で何でもできるということを証明しなければいけないと思っている、頑固なキャラクターだと思います。家の管理ができて、仕事を持って、リロの世話ができて、それを自分一人でできるということを証明したいと思っているのです。そして彼女は、ハワイのこのコミュニティの隣人や友人の助けを受け入れることを通して広い意味でのオハナ(家族)を受け入れることを学びます。

「人間のリアリティとは何だろう?」と自身に問いながら実写化にあたりました。そして、この映画に何か新しいものを持ち込めるとすれば何か、と考えました。私たち制作陣は常に原作のファンとして、例えば「ハワイアン・ローラーコースター・ライドの楽曲が映画に含まれていなかったら納得できないだろう」などと想像力を膨らませる必要がありました。そして、実写化にあたり人間の心の機微を丁寧に描く方法も模索しました。

――スティッチの声優はオリジナルと同じですよね?

アイリック:そうです。クリス・サンダースです。

――なぜそう決めたのか教えていただけますか?

アイリック:彼は素晴らしいクリエイターです。クリスはまさにスティッチの生みの親で、彼がもともとスティッチを描きました。そして彼がオリジナルの映画の脚本を書き、監督した経緯があります。その後彼が制作陣として関わっていない作品でも、クリスは常にスティッチの声優としてキャラクターに関わり続けていました。つまり、彼こそが「スティッチ」なんです。とにかく、ファンのためにも新作に彼を連れ戻さなければならないと感じていました。彼は制作陣に多くの助言を提供してくれました。たとえば、3Dのスティッチが、実写でどのように見えるかというバージョンがようやく完成した時、最初にクリスにコンセプトをみせました。スティッチ生みの親であるクリスの納得のいく仕上がりになったときの安堵感は忘れられません。

――オリジナルのスティッチは日本でも大人気です。なぜこんなに愛されるキャラクターになったと思いますか?

アイリック:誰もがトラブルメーカーが大好きなんです。ディズニーの世界では、多くのキャラクターが心優しく善良です。スティッチはまさに正反対で、トラブルに巻き込まれて大混乱を引き起こすので、観客の共感をよび、愛されるのだと思います。なぜなら、誰しもが欠点だらけなのですから。

映画『リロ&スティッチ』場面写真 (C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
また、キャラクターデザインも魅力的です。さらに日本はアニメやアニメーションの歴史、宮崎駿やあらゆる種類のキャラクターデザインが生まれた場所である背景から、アニメーションにとても親しみがあるカルチャーではないでしょうか。日本の観客は、違う文化圏で生まれたスティッチのようなキャラクターであっても、まるで自分たちのものとして受け入れられるのではないでしょうか。私は過去18ヵ月の間に日本に2回渡航しましたが、いたるところでスティッチを見かけました。最近の旅行では、はじめて日本へ渡航したときの旅行よりはるかにスティッチを見かける機会が多く、日本の観客の関心が高まっているのを感じて嬉しく思います。

――先ほどお話したように、スティッチはディズニーのキャラクターの中で最も愛されているキャラクターのひとつです。ディズニーがもつお客様とのさまざまなタッチポイントは、日本市場においてどのような影響を与えているのでしょうか?

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■アトラクション登場で「一気に火が着いたように思います」

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