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実写『リロ&スティッチ』プロデューサーが制作裏を語る! アニメからの変更点&スティッチの可愛さの秘密などを大解剖

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■アトラクション登場で「一気に火が着いたように思います」

アイリック:前提として、アニメーション映画『リロ&スティッチ』は時代を先取りしていたと思います。当時、私たちがどう話せばいいのかさえ知らなかった問題を扱っていました。いまでこそ子どもが感じる不安や孤独について向き合うようになりましたが、20年前には誰もこれらのことについて語りませんでした。映画が時代を先取りして正しく捉えていたものが突然大きな形で戻ってきたという感覚です。ディズニーのタッチポイントを通して、徐々にファンの間で時代の移り変わりとともに愛情が芽生え続けたのではないでしょうか。

僕らは7、8年前からこの映画の開発を始めましたが、ちょうどその頃から子どもたちのバックパックをはじめ、いたるところでスティッチの商品を見かけるようになりました。

映画『リロ&スティッチ』場面写真 (C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
その後パークのアトラクションとして登場するようになり一気に火が付いたように思います。ディズニーランドを訪れて感じた違いは、おそらく2018年と、コロナ直後の2021年か22年に行ったときです。2018年はスティッチをたくさん見ました。2022年までには、パークでミッキーについで2番目に多く見たキャラクターになったかもしれません。明らかにこのキャラクターを復活させようというディズニーの大きな取り組みの一環として計画されたものだと思います。ディズニーは私たちがこの映画を制作していることを受けて、スティッチをより多くの観客に届けようとしているのです。ディズニーは、観客を育てて、ファンが必要とすることに応える素晴らしい仕事をしています。

――実写版を作るときは、もっと現実的なものにする必要がありました。そうするには、適切なキャスティングを行う必要があります。リロとナニの姉妹の関係性を描く上で、あなたたちはマイアとシドニーの両方で素晴らしいキャスティングをしたと思います。そのキャスティングのプロセスについてお話しいただけますか?

映画『リロ&スティッチ』場面写真 (C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
アイリック:私たちは、居住地を問わず、世界中にハワイの俳優を広く募集しましたが、おそらくハワイやハワイ周辺で見つかるだろうという予感はしていました。リロの場合、8歳、9歳、10歳前後のとてつもなく多くの俳優がオーディションに参加してくれました。ハリウッドでは、通常、演じて欲しい年齢よりも少しだけ年上の子どもをキャストすることが多いんです。ですがディーン・フライシャー・キャンプ監督は、とても純粋ですこし早熟なリロを演じられる俳優を求めていました。ある日、まだ5歳のマイア・ケアロハがテープを送ってきました。ビッグアイランドにいた彼女をすぐにオアフ島へ呼び、直接会って本読み(オーディション)をしたところ、彼女の豊かな想像力と聡明さ、遊び心、そして何よりスタミナに感服しました。彼女は「次は何?何をするの?ああ、スティッチのぬいぐるみで遊べるの?やったー!」と。撮影中にストライキで撮影が中止になりましたが集中力を維持し、仕事熱心でした。彼女はこのキャラクターを作り上げるためにたくさんの努力をしてくれたことに感謝しかありません。

――スティッチをVFXで表現するにあたり、どのような過程を経ましたか。

アイリック:全編を通してVFXはILM(インダストリアル・ライト&マジック)が担当しました。クリス・サンダースのもとで『リロ&スティッチ』のオリジナル・リード・アニメーターを務めたアレックス・クーパーシュミットと連携してスティッチの腰の動き、歩くしぐさなど丁寧にVFXで表現することが求められました。一方、ディーン・フライシャー・キャンプ監督は早い段階で「かわいさは自然の中にあり、創造することは難しい」といったのです。つまりいろいろな動物を観察しながら、スティッチの目を表現するために最終的にアザラシの子どもの目にたどり着きました。ウサギの耳や、アルパカの毛皮もVFXの参考にしました。VFXでつくりあげるスティッチが自然界に存在していてもおかしくないように感じられるところまで、とても長い過程を経たのです。

映画『リロ&スティッチ』場面写真 (C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
実は本作は、4月末に完成しました。つまり、作り終えたばかりです。これだけ多くのアーティストと、大規模なVFXチームで、すべてのフレームを隅々までチェックし、すべてが観客にとって可能な限り良いものにするためには、本当にそれだけの時間がかかるんです。

――この映画は素晴らしい出来でした。しかし、今この長いプロセスを振り返ってみると、最もチャレンジングだった点は何でしたか?

アイリック:本作のレガシーを尊重し続けることだったと思います。オリジナルの映画が大好きで、それが観客にとってどれほど意味のあることなのかを知っています。昨年D23で初めてスティッチを披露した時から、インターネット上で大騒ぎになりました。嬉しく思う反面、人々を失望させる可能性あると思ったのです。ですから、クリス・サンダースにスティッチが正しいかを確認してもらったり、ハワイのコンサルタントに映画のハワイらしさが正しいかを確認してもらったり、スティッチのアニメーションが適切に感じられるように、より多くのアーティストやアニメーション担当者に来てもらったりと、あらゆる段階で、より多くのパートナーを招聘することを意識することで、作品のレガシーを尊重したいと思ったのです。

――あなたは、多くのスタジオと仕事をしていますが、ディズニーの最大の魅力は何だと思いますか?

映画『リロ&スティッチ』場面写真 (C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
アイリック:ディズニーは私たちが子どものころから親しみのあるブランドです。ウォルトが望んだのは、みんなが子どもになったような気分になれることだったと思います。だから、プロデューサーとして、世界中の多くの人々にとってとても大きな意味を持つブランドと仕事をする機会があれば、それはチャンスだと思います。特に今、人々の関心を引くものがたくさんある中で、プロデューサーであれば当然ながら自分の時間と心を注ぎ込んだ新しい作品は多く人々に見てもらいたいと願うものです。ディズニー作品であれば世界中のすべての人に見てもらえる機会があります。私たちはこれまでに、ディズニーと3本の長編映画を制作しましたが、それはまさに夢のようなものなのです。

――ジョナサン、日本の人々はスティッチが大好きです。彼らはこの映画をとても楽しみにしています。日本のスティッチファンへメッセージをお願いします。

アイリック:日本のスティッチファンの皆さん、こんにちは。アニメーション映画に敬意を表し、忠実に、そして同時に新しい世代に何か新しいものを届けるために、私たちが本作にどれだけの愛を注いだかを感じていただけると嬉しいです。そして、皆さんがこの映画を友達やご家族と一緒に観て、そういった愛や、”オハナ”を分かち合っていただけることを願います。

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