20世紀後半を駆けぬけた悪名高い実在人物描く、愛と破壊のシネ・バラード『リモノフ』9.5公開決定

イタリア・フランス・スペイン合作映画『Limonov. The Ballad(原題)』が、邦題『リモノフ』として、9月5日より全国公開されることが決定。日本版ポスターと予告編が解禁された。
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本作は、数々の文学賞を受賞した傑作伝記小説『リモノフ』を基に、『インフル病みのペトロフ家』『チャイコフスキーの妻』などで世界が注目するロシアのキリル・セレブレン二コフ監督(2022年にロシアから亡命)が放つ、圧巻の演出と徹底したシニシズムで観る者を愉快にも不快にもさせる問題作。ファシストでも共産主義者でもリベラルでも保守派でもなく、しかしそれらすべてを内包し20世紀後半を駆けぬけた、悪名高い実在の人物リモノフの愛と破滅のシネ・バラードだ。
『007』シリーズのQ役や『ウーマン・トーキング 私たちの選択』など、ハリウッド大作から個性派監督の作品まで出演し続ける演技派ベン・ウィショーが、破天荒なアナーキストを熱演。リモノフの妻エレナには、『戦争と女の顔』で主人公の看護師を演じたヴィクトリア・ミロシニチェンコ。さらに、『グラディエーター』『ダークナイト ライジング』などハリウッド作品に多数出演歴のあるトマス・アラナ、マルコ・ベロッキオ監督作『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』やマット・デイモン主演の『フォードVSフェラーリ』などで活躍するコッラード・インヴェルニッツィほか、国際色豊かな実力派俳優が脇を固める。
セレブレン二コフ監督は、「今日起こっているすべては、リモノフが書いたことに端を発している。彼は戦争を望み、ソビエト連邦の再来を望んだ。彼が夢見た世界に生きているような感じがするよ。ロシア政府は、彼やアレクサンドル・ドゥーギンの著作をそのまま実行に移しているのではないかと思うほどだ…昨今の情勢を踏まえ、より一層この暴挙にいたった過程を探る必要性を痛感した。ロシアのファシズムがどこから来たのか、理解するためだ」と語る。
今回解禁されたポスタービジュアルでは、いくつもの顔を持つリモノフ(ウィショー)の「革命家」としての一面を切り取った写真が使用されている。詩人として、政治家として、時には富裕層の執事となり、あるいはシベリアの地で兵士として暮らすなど、彼の異色の経歴がランダムにあしらわれており、革命家としてカリスマ的存在となった勢いある表情を捉えた1枚となっている。
また、予告編は彼の破天荒な人生を、そのままスピード感あふれる映像に落とし込んでいる。自身のペンネームに「手榴弾」を意味する「リモノフ」を選ぶ場面から始まり、「詩人で作家で反体制者、執事で兵士でホームレスで活動家で革命家」と、ひとつのジャンルに収まらない生き様を紹介するナレーションが、自由で謎めいた人物像への興味をかき立てる。恋人が言う「あなたは生まれながらの英雄」というセリフも納得の、ベン・ウィショーが見せる魅力的な怪演を存分に堪能できる60秒に仕上がっている。
映画『リモノフ』は、9月5日より全国公開。