小林虎之介、鹿賀丈史をリスペクト! 映画『生きがい』で信三の固く閉ざされた心をほどいてゆくボランティアの青年を熱演

関連 :
鹿賀丈史が主演する映画『生きがい IKIGAI』より、場面写真が解禁された。小林虎之介演じるボランティアの青年が、倒壊した家の下から救出され、心を閉ざした主人公の信三(鹿賀)に寄り添う様子を捉えている。
【写真】真っすぐな青年役がよく似合う! 小林虎之介、映画『生きがい IKIGAI』場面写真
甚大な被害を生じた地震から8ヵ月後、豪雨という再びの災害に見舞われた能登。能登半島地震の震源域に近く地震で大きな被害があった奥能登地域を襲った2度目の災害―。
演出家の宮本亞門は、能登でのボランティア活動に参加、想像を超える被害と復興の遅れを目の当たりにした。宮本が地元の人々の声を聞き、言葉に触れ、復興の思いを募らせることで、ショートフィルム『生きがい IKIGAI』は生まれた。
主人公・信三を演じるのは鹿賀丈史、信三の妻・美智子を演じるのは常盤貴子、さらに小林虎之介、津田寛治、根岸季衣と、実力派キャストが能登への復興を願い、本作に参加、災害により心を閉ざした一人の男が再び生きることに目を向けていく希望の物語を紡ぐ。
土砂災害の被災現場で、崩壊した家の下から救出された主人公の元教師で「黒鬼」と呼ばれる信三(鹿賀)。心配する周囲の声も聞こうとせず、助け出された泥だらけの姿で信三はその場から去ってしまうー。
避難所になじめず、倒壊した自宅の一角で暮らす信三の元に訪れたボランティアの青年役を演じるのは小林虎之介。青年は、信三に最初はあしらわれるものの、倒壊した自宅の整理をしながら信三と向き合っていく。妻を亡くし心を閉ざした信三だったが、青年もまた、大切な人を失った過去を持つのであったー。
この度解禁された場面写真では、ボランティアに励む青年が信三に向き合い、笑顔を見せる姿や、本作で信三と青年が心を通わす上で重要なキーとなる湯飲みを持つ姿も。
小林は「初めて宮本亞門さんとお会いした時、『能登の為に、少しでも力になりたい』と仰っていた事を今でも覚えています。先頭に立って下さる方が常にその意思を持っていたので、同じ気持ちで作品作りに関わらさせて頂きました」と能登への気持ちを込めての作品作りを振り返る。
信三の閉ざされた心をほどいてゆくという重要な役どころについて、「この青年がなぜボランティアをする為に能登にやってきたのか。物語の中では描かれていないその背景をしっかり持ちつつ、あの場所で青年が感じた事をそのまま表現すれば、自ずと信三の心に寄り添えるのかなと思いました」と、キャラクターの背景を掘り下げつつ、ナチュラルに挑んだことを明かす。
さらに、信三役の鹿賀丈史との共演について「信三としているのか鹿賀さんとしているのか、分からなくなるくらい、現場に雰囲気を残して下さっていたので、余計な事を考えること無くお芝居が出来ました。寡黙だけど、時にクスッと笑える事を言い、芝居になると背中で引っ張るその姿がとてもかっこ良かったです」と鹿賀へのリスペクトをのぞかせた。
企画・脚本・監督を務める宮本亞門は、30年ぶりにメガホンをとった本作について、現地での声がきっかけになっていることを語り、「この作品が、皆さんが『生きがい』を見つめ、心にそっと寄り添えますように」と本作に込められた願いに近い思いを明かしている。
本作と併映されるのは、映画の撮影のメイキングをきっかけに訪れた能登で、人々の声を収めるうちにドキュメンタリー作品として生まれた『能登の声 The Voice of NOTO』(監督・編集:⼿塚旬⼦)。フィクションとノンフィクションを同時に体感することで、二度の災害に苦しむ【能登の今】を知り、思いをはせることが、【能登の未来】への一歩につながってほしいという願いから生まれたプロジェクトだ。
映画『生きがい IKIGAI』は、石川先行公開中、7月11日よりシネスイッチ銀座ほかにて順次公開。