世界最高齢のマラソンランナー、114歳、インドでひき逃げに遭い死亡 モディ首相も追悼

世界最高齢のマラソンランナーとして知られるファウジャ・シンさんが、地元インドでひき逃げに遭い、114歳で亡くなった。
【写真】大勢のランナーに交じって走る101歳の頃のファウジャさん
AP通信やESPNによると、インド出身のファウジャさんは、現地時間7月14日、パンジャブ州にある故郷の村近くの道路を横断中に車にひき逃げされ、頭部に重度の外傷を負ったそう。地元の病院に搬送された後、息を引き取ったという。
ファウジャさんが所属するランニングクラブ兼慈善団体Sikhs in the Cityのコーチが、インスタグラムにて彼の死亡を発表。「親愛なるランナーの皆さま。人間愛の象徴であり、ポジティブさの原動力でもあるファウジャ・シンが、インドで亡くなったことを、深い悲しみとともにお伝えします」とし、同クラブでは、2026年3月29日に開催されるファウジャ・シン・バースデー・チャレンジまで、全てのイベントを彼のために捧げると明らかにした。
報道によれば、ファウジャさんは妻と息子に先立たれた悲しみから鬱状態となり、それを乗り越えるために89歳でランニングを始めたそう。末息子と暮らすためにロンドンに移住したのち、Sikhs in the Cityに参加。2000年に初マラソンを走り、2011年に100歳でフルマラソンを完走。男性としての最高齢記録を樹立した。当初は、出生証明書がなかったことから、ギネス世界記録に認定されなかったが、1911年当時、インドでは出生記録を管理していなかったことを認める書簡をインド政府が発行したそうだ。
インドのナレンドラ・モディ首相はX(旧ツイッター)にて、ファウジャさんを追悼。「ファウジャ・シン氏は類まれなる人物でした。比類ない個性を持ち、フィットネスという非常に重要な分野でインドの若い世代にインスピレーションを与えて来ました。彼は並外れた決意を持つ、非凡なアスリートでした。ご家族と、彼を敬愛する世界中に人々に、お悔やみを申し上げます」と綴った。