福山雅治が原点・長崎と向き合い、“歌うこと”の意味を見つめ直す 今夜のNHK『クローズアップ現代』

今夜7月30日19時30分放送の『クローズアップ現代』(NHK総合)に、福山雅治が登場。活動35年の到達点「クスノキ」誕生への思索と挑戦を語る。
【写真】福山雅治の楽曲「クスノキ」は「平和の歌」として歌い継がれるように
「自分の歌が、子どもたちによって合唱されるなんて―まったく想像していなかった現在地、一番驚いているのは僕自身です」。長崎出身のシンガーソングライター・福山雅治がそう語る楽曲「クスノキ」。2014年に発表されたこの歌が今年、被爆80年の節目にあたる長崎の平和祈念式典で合唱される。
原爆で焼かれ枯れ木同然になりながらも朽ち果てることなく、奇跡的にいまも生き続けている山王神社の“被爆クスノキ”。その姿に心を重ね、福山が生み出したこの歌は、「平和の歌」として静かに広がり、今では市民のあいだで歌い継がれ、学校でも歌われるようになった。
番組では、福山がこの曲を生み出すまでに歩んできた“デビューからの葛藤”や“歌の完成”までの道のりをロングインタビュー。デビュー当初、自身のルーツである長崎を歌った楽曲はほとんど届かず、「自分にはまだ表現の力も経験もなかった」と話す福山。けれど、その“できなかった”悔しさと向き合い続け、時間をかけて磨きあげた言葉とメロディーが、今、子どもたちの声と重なり新たな広がりを見せていく。“我が魂は この土に根差し”と、歌詞の主語を“人間”ではなく“樹木”に置いたことで、一気に曲を書きあげることができたと振り返る楽曲の誕生秘話も。
番組では、自身のルーツである長崎で育まれた平和への思いと家族との記憶、さらにはNHKの番組で世界の大自然と向き合った経験までー「クスノキ」に至る軌跡を、丹念にたどっていく。そしていま、「音楽は、樹木よりも長く生きるかもしれない」という気づきとともに、自身の歌を“みんなの歌”として未来へ託す福山の姿をじっくりと見つめていく。
インタビューで「高校生のころ、父が原爆病院に入院していて、帰り道にふらっとクスノキの前に立ち寄っていたんです。自分の無力感でいっぱいだったけれど、この木は、ずっとそこにいて、500年いろんなものを見てきたんだなって。何か、包まれているような気がしたんです」と個人的な体験と“クスノキ”との出会いについて語った福山。
そして、「“僕の歌が、あなたの歌になって、みんなの歌になった”。2025年の今年、それを実感しました。自分の手を離れて、次のフェーズに入ったんだなと」と、「クスノキ」が“みんなのうた”になったことに思いを馳せた。
『クローズアップ現代』「“我が魂は奪われはしない” 福山雅治 響き合う歌と平和」は、NHK総合にて7月30日19時30分放送。NHKプラスにて8月6日まで見逃し配信。