木下晴香、平間壮一、眞島秀和ら、音楽劇『コーカサスの白墨の輪』出演決定! メインキャスト発表
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■上演台本・演出:瀬戸山美咲
人間とは何か、を考えたいと思います。人間は戦争をします。動物も縄張り争いをしますが、人間のように計画的な戦争は起こしません。人間が戦争をやめられないのは、言葉があるからだと私は思います。言葉があるから人間は生存の不安を実際以上に大きく感じてしまうし、言葉があるから他者を煽動してしまうし、兵器をつくって戦争を実行に移せてしまう。ひとたび戦争が起きれば、終わらせるのは困難であり、火を鎮めたところで燻り続ける。そんなことはわかっているはずなのに、繰り返してしまう。現在の世界は暴力的・排外的な方向に加速しているように見えますが、すべては古代からつながっていると思います。
では、未来でも人間はこのままなのでしょうか。ブレヒトの『コーカサスの白墨の輪』は、第二次世界大戦末期の時代から過去の戦争を振り返る構造になっています。過去の歴史に学ぶことを描くと同時に、人間の変わらなさを描いているようにも見えます。今回は、遥か先の未来から、今より少し先の未来を振り返る形で上演します。果たして、人間は今より「マシ」な存在になれるのか。人間の可能性を探る旅を始めます。