「今日の豚は、明日のベーコン」 日本劇場初公開『ロードゲーム』 恐怖の<目玉車>メインビジュアル&予告完成

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“オーストラリアのヒッチコック”こと鬼才リチャード・フランクリン監督の最高傑作で、約44年を経て初めて日本劇場公開される映画『ロードゲーム』(1981)より、メインビジュアルと予告編が解禁された。
【動画】批評家&映画ファンから圧倒的支持 日本劇場初公開『ロードゲーム』(1981)予告編
サイキック・ホラー『パトリック』(1978)でアボリアッツ・ファンタスティック映画祭グランプリに輝いたオーストラリアの鬼才、リチャード・フランクリン。そんなフランクリン監督が、敬愛するアルフレッド・ヒッチコック監督の名作『裏窓』にオマージュを捧げ、オーストラリアの広大な土地を舞台に作り上げたサスペンス・ロードムービーが本作だ。公開当時はサターン賞・最優秀外国映画賞にノミネートされ、批評家からも高く評価されたものの、日本では完全に無視され劇場未公開となった。
しかし、『荒野の千鳥足』『ピクニックatハンギングロック』『ピアノ・レッスン』さらには「マッドマックス」シリーズに至るまで、個性あふれるオーストラリア映画群の中でも、フランクリン監督の独特なセンスが光る本作は、映画ファンから熱狂的な支持を受けてきた。そして本作が、ついに劇場初公開を迎える。
『裏窓』とスティーヴン・スピルバーグの『激突!』を融合させたような車内での心理戦、誰も自分の言葉を信じてくれない恐怖、延々と続く執拗な追跡。車内に大量にぶら下がる豚の肉塊や、誰もいない荒野のロケーションも大きな魅力だ。
また、クエンティン・タランティーノは、本作を好きなオーストラリア映画ナンバーワンに挙げており、「『ロードゲーム』はたとえ明日リメイクしても、台詞を一切変えなくても、誰もが恐怖で震え上がるだろう。これは素晴らしい映画だ」と絶賛している。
主人公クイッドを演じるのは、『ゴングなき戦い』『センチュリアン』『チーチ&チョン スモーキング作戦』『ロング・ライダーズ』『エスケープ・フロム・L.A.』など数多くの傑作で活躍してきたステイシー・キーチ。本作では、野犬ディンゴに話しかけながら独り言を延々とつぶやき続けるトラック運転手という、独特なキャラクターを見事に演じている。クイッドのトラックに乗り込むヒッチハイカー、パメラ役には、当時『ハロウィン』(1978)、『ザ・フォッグ』(1980)、『プロムナイト』(1980)などのホラー映画で<絶叫の女王>として確固たる地位を築いていたジェイミー・リー・カーティスがふんする。
このたび、史上初となる本作の日本版メインビジュアルが完成した。デイヴィッド・リンチを思わせる悪夢的なシーンも展開される本作だが、深夜の荒野を進む<目玉車>と呼ばれる1台のバンをフィーチャーしたデザインは、世界的に見ても衝撃的。キャッチコピーも「今日の豚は、明日のベーコン」「豚の死体解凍とともに近づく恐怖。けっして冷凍庫を見てはいけない。加工肉は、豚だけでじゅうぶんだ」と、鑑賞前から想像力を存分に刺激するものとなっている。
さらに予告編も解禁に。冒頭では“ミートドライバー”という聞き慣れない言葉が登場し、積み荷を問われた主人公クイッドが「豚だ」と堂々と答える場面があり、まさにその通りであることがわかる。睡眠不足の中、冷凍豚を積んでトラックを走らせるクイッドは、やがてバンに乗った怪しい男を目撃。彼こそがバラバラ殺人事件の犯人ではないかと疑い始める。
道中、夫とはぐれた女性や若い女性、そしてヒッチ(ジェイミー)を車に乗せて進むが、夜が更けるにつれ周囲は悪夢的で病的な様相を帯びていく。冷凍室に並ぶ正体不明の肉塊、突如現れるバン、次第に狂気を帯びていく空気──。
のどかな音楽で始まる予告編は、やがて不穏に変調し、クイッドの両目にピンク色の光が重なる奇妙なショットなど、ヒッチコックにも匹敵するサスペンス、ロードムービー的緊張感、そして独自のユーモアを予感させる仕上がりとなっている。
そして夜のアスファルトを映すシーンに「すべての孤独者に捧ぐ低温系独り言サスペンス」というキャッチコピーが浮かび上がる場面の音楽は、まさに『マッドマックス』を彷彿とさせる。実際に音楽を担当したのは、『マッドマックス』『マッドマックス2』のブライアン・メイである。
映画『ロードゲーム』は、10月31日より全国順次初公開。