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主役は解雇、現場はまるで「動物園」…『エクソシスト』原作者が執念で作り上げた“正統派続編”が劇場初公開

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映画『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』場面写真
映画『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』場面写真(C)2026 American Genre Film Archive (C) 1979 The Ninth Configuration Company. All Rights Reserved.

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ステイシー・キーチ

ウィリアム・ピーター・ブラッティ

山崎圭司

 筋金入りの映画ファンも思わず唸る、激シブな作品セレクトで度肝を抜く特集上映「新宿ハードコア傑作選」の第2弾が、シネマート新宿で開催中だ。今回もまたコンプライアンス度外視の衝撃作が出揃ったが、特に注目したいのがカルトな評価を集めながら待望の日本劇場初公開となる『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』(1980年)だ。

【写真】伝説のカルト作が劇場初公開 『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』フォトギャラリー

■“信仰の神秘”三部作の一篇

 『エクソシスト』(1973年)の原作・製作者である鬼才ウィリアム・ピーター・ブラッティの初監督作で、『エクソシスト』と本作、同じくブラッティが演出を務めた『エクソシスト3』(1990年)とあわせて“信仰の神秘”三部作と称される異色の傑作である。

 ヴェトナム戦争末期。アメリカ政府は戦場での苛烈な体験から精神を病んだ軍人たちが「本当に狂っているのか」を確かめるべく、秘密の調査療養所を設けた。そのひとつが山奥の古城に隔離された「第18号施設」。ここに元海兵隊員で精神科医のケーン大佐(ステイシー・キーチ)が赴任する。

 患者にズボンを盗まれ、パンツ姿で出迎えたフェル軍医(エド・フランダース)が案内する施設内は風変わりな患者たちばかり。なかでも月ロケット打ち上げ寸前に発狂した宇宙飛行士のカットショウ(スコット・ウィルソン)は反抗的で、肌身離さぬお守りの聖クリストフォロスのメダルをケーンに託し、「神が存在するなら世界にはなぜ悪や苦しみがあるのか」と問う。

映画『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』場面写真 (C)2026 American Genre Film Archive (C) 1979 The Ninth Configuration Company. All Rights Reserved.
 ケーンは「生命創造に必須な9番目のアミノ酸配列(これが映画の原題)は、奇跡的な偶然の積み重ね」であり、人間の誕生は神の御業だと答える。そして、無償の自己犠牲は人間の善良さの証明で、それは神の目的によってのみ説明がつくのだと説く。

 一方、犬を使った芝居の上演に悪戦苦闘中のリノ中尉(ジェイソン・ミラー)はシェイクスピア演劇から狂気の本質を掘り下げ、ケーン自身が狂っているのではないかと疑う。事実、ケーンは徐々に悪夢と幻覚に苛まれ、“キラー・ケーン”と恐れられた戦地でのおぞましい蛮行の記憶を取り戻す。

 施設を脱走したカットショウが、酒場で極悪バイカー集団から地獄の凌辱を受けていると知ったケーンは現場に急行。壮絶な戦いのなかで、遂に封印していた恐るべき“キラーケーン”に覚醒してしまう。

 哲学・神学と破壊的なユーモアが入り混じる本作を監督したウィリアム・ピーター・ブラッティは、元々は『暗闇でドッキリ』(1964年)などコメディ映画を得意とした作家。1966年に映画の原作小説『Twinkle, Twinkle, "Killer" Kane (未翻訳)』を出版。自らの監督デビュー作として脚本を準備し、これが芸域を広げようとする大物俳優チャールトン・ヘストンの目に留まるも不発に終わる。

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■映画化に漕ぎつけたブラッティの執念

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