アメコミ界の重鎮スタン・リーが蘇る AI企業が声と肖像権を獲得
マーベルコミックスの『アイアンマン』や『スパイダーマン』シリーズなど、数々のヒット作を手がけたアメコミ界の重鎮で、2018年に亡くったスタン・リーが、AIで蘇る。AIオーディオ企業「ElevenLabs」がスタン・リー・ユニバースと契約し、彼の声や肖像が商業利用できるようになった。
【写真】ロバート・ダウニー・Jr.、ライアン・レイノルズ、ヒュー・ジャックマンら スタン・リー追悼ショット
Varietyによると、スタンさんの音声は同社の「Iconic Marketplace」にラインナップされるほか、朗読アプリ「Eleven Reader」にも登場。同アプリを通じて展開する「Stan Lee Book of the Month Club」では、スタンさんの声で毎月異なる書籍を朗読。毎月パブリックドメインの書籍が追加され、6月はロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』を取り上げるという。
またビジュアルを利用し、非商用限定でコミック風の画像を生成できるほか、AI音楽生成ツール「ElevenCreative Music」にスタンさんにインスピレーションを受けた音楽フィルター2種「Superhero Cinematic Swells」と「Retro Hero Fanfare」が追加される予定。
「Iconic Marketplace」は、偉人や著名人の声や知的財産をAI使用できる企業向けプラットフォーム。ElevenLabsが本人や遺産管理団体など権利保持者と提携することで、ライセンスを管理する。昨年マシュー・マコノヒーとマイケル・ケインが提携したことでも注目を集めた。
スタン・リー・ユニバースのチャズ・レイニーは声明で、「コミックの誌面やコミコン会場に姿を現し、映画にカメオ出演するなど、スタンはいつもファンに会うことを信条としていました。今回の提携は、その精神を受け継ぐものです」と述べている。
なお、AI技術の進化に伴い、故人を含め、著名人の肖像や音声の権利のありかたについて注目が集まっている。テイラー・スウィフトは先月、声と肖像を商標登録。AIによる不正使用への対抗策とみられている。また3月には、昨年4月に亡くなったヴァル・キルマーさんが、生前出演する予定だったという新作映画『As Deep as the Grave(原題)』に生成AI技術を用いて出演することが報じられた。

