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黒木華、中島哲也監督と脚本第1稿から役作り 『時には懺悔を』“引き算”の演技光る場面写真解禁

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映画『時には懺悔を』場面写真
映画『時には懺悔を』場面写真(C)2026 映画「時には懺悔を」製作委員会

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 西島秀俊主演の映画『時には懺悔(ざんげ)を』より、黒木華の撮影エピソードとともに、黒木と中島哲也監督が脚本第1稿の段階から共に作り上げた女性像を捉えた場面写真が初解禁された。

【写真】黒木華が“引き算”の芝居で魅せる圧巻の表情! 映画『時には懺悔を』場面写真

 中島哲也監督が、その難しいテーマゆえに映像化不可能とも言われた打海文三の傑作ミステリー小説を映画化。過去に傷つき、絶望の淵を生きる大人たちが、懸命に生きる“小さな命”と出会ったことで、凍りついていた心を大きく揺さぶられていく。

 本作は、一人の探偵が殺害された事件をきっかけに、主人公の探偵・佐竹三雄(西島)と、その助手として修業中の中野聡子(満島ひかり)が真相を追う中で、9年前に起きた新生児誘拐事件へとたどり着いていく物語。そこで浮かび上がったのが、誘拐された後も生きていることが分かった、重い障がいのある少年・新の存在だ。2つの事件は、なぜ9年の時を隔ててつながったのか。

 そして、黒木が演じるのは、物語の重要な鍵を握る女性・尋津民恵。テレビのニュース番組に映り込んだ新の姿を目にし、殺害される前の探偵・米本(佐藤二朗)に、その行方を匿名で捜してほしいと依頼していた人物だ。一見すると裕福で何不自由なく暮らしているように見える一方、家族との関係に問題を抱えながら、自身の過去や本心を周囲に明かそうとしない。

 彼女はなぜ新を探しているのか。その行動の真意が、佐竹と聡子が追う2つの事件を大きく動かしていく。

 黒木が中島哲也監督作品に出演するのは、2018年に公開された映画『来る』以来8年ぶりで、本作が2度目となる。前作での撮影を「学ぶことがたくさんあった」と振り返る黒木は、再び中島組へ呼ばれたことについて、「こうしてまた呼んでくださり、とても嬉しいです。頑張ってやってきてよかったと思います」と喜びを明かす。

 その一方で、中島組への参加には特別な緊張感もあったという。「中島監督の作品はやはり一筋縄ではいかない、覚悟を持って参加しなければならないという感覚が思い起こされました」。

 2度目だからこそ、中島監督の求める芝居へより深く向き合うことができたという黒木。「前回よりは私自身が現場に居やすかった実感もあり、よりお芝居に集中できた気がします。中島さんの思いにも応えられていたらいいなと思います」と振り返る。

 本作に登場する人物たちは、誰もが過去の後悔や罪、自分でも善悪では割り切れない感情を抱えている。中でも民恵は、“矛盾する感情”を強く抱える人物だ。中島監督が民恵を描くうえで何よりも大切にしたのは、彼女のある一面や行動だけを見て、観客に「悪い人」と受け取られないことだった。過去をすべて封印してしまったかのような民恵だが、その行動の奥には、ひと言では説明できない思いが渦巻いている。

 さらに、そのキャラクター造形は、撮影が始まってから作られたものではなかった。中島監督は脚本の第1稿を書き上げた段階から黒木に脚本を渡し、決定稿へ至るまで、黒木自身の解釈も聞きながら民恵という女性を作り上げていったという。

 脚本を書いた監督と、それを演じる俳優。撮影前から2人が対話を重ねることで、善悪という単純な物差しでは測ることのできない民恵という人物が形作られていった。黒木自身も、最初に中島監督から人物シートを渡された際、「脚本を読みながら、民恵はこういうことを言うのかどうか相談させていただきました」と、役柄について話し合ったことを明かしている。

 複雑な感情を抱えながら、それを容易には表に出そうとしない民恵。その役を演じるにあたり、黒木が大切にしたのは、感情をことさらに強調することではなかった。「民恵は重たいものを背負っていて、考えることの多い役でしたが、その中でできるだけ嘘のない感情でいられるように心がけていました。私は結婚をしたことも子どもを持った経験もないので、関連するドキュメンタリー番組を見たりしながら、できる限りの準備をしました」と振り返る。

 そんな黒木の芝居について、中島監督も前作『来る』からの大きな変化を感じていた。「お芝居の手の多さ、やれることの全部をやらず、むしろ引き算にしていくようなことがものすごく上手になっている」と、その変貌ぶりに目を見張る。さらに、「佐竹と喫茶店で話しているときの迫力、目つき、空気感。その後の聡子とのシーンも、満島さんとのある種の勝負みたいなものが見られて面白かったです」と、感情を大きく表に出さずとも、たたずまいや目線、空気そのものによって民恵の内面をにじませる黒木の演技を高く評価している。

 その“引き算”の芝居が際立つ場面の一つが、予告編でも印象的な、聡子が民恵に新の引き取りを懇願するシーンだ。満島演じる聡子がなりふり構わず民恵を追いかける一方、黒木演じる民恵は歩調を乱さず、なおも食い下がる聡子を強い態度で拒絶する。

 このシーンについて、中島監督は2人に「基本の距離感はあるけれど、それをキープする必要はないから、近づいたり離れたりしていい」と演出。2人の間合いが崩れるとき、振り向いた民恵の顔は影になっていて、それを見つめる聡子の顔は陽を受けている。きれいごとでは済まされないものを引き受ける民恵のたたずまいが、有無を言わせない気迫を帯びる。感情を前面に出して民恵に迫る聡子と、容易には本心を見せずに立ちはだかる民恵。満島と黒木、異なる表現を持つ2人が一対一でぶつかる、物語の重要な山場となっている。

 『来る』から8年。再び中島組へ参加し、脚本第1稿の段階から中島監督と対話を重ねながら、単純な善悪では捉えきれない民恵という女性を作り上げた黒木。すべてを説明するのではなく、表情、視線、たたずまいの中に相反する感情を宿す“引き算”の芝居が、観客に「もし自分だったら」と問いかける民恵という人物に、生々しいリアリティを与えている。

 映画『時には懺悔を』は、8月28日より全国公開。

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