クランクイン!

「ディズニー・オン・クラシック 2026」全国ツアー開幕 今年は『アナと雪の女王』を大フィーチャー!

音楽

◆『アナと雪の女王』の世界にどっぷり惹きこまれるパフォーマンスが圧巻!

 20分の休憩を挟んでの第2部は、大ヒットアニメーション映画『アナと雪の女王』をフィーチャーしたプログラム。ほぼ全編の音楽が生演奏されるだけでなく、ブロードウェイ・ミュージカル版からのナンバー「クリストフ・ララバイ」も披露されるのも、ファンにはたまらないはずだ。

 冒頭ではナビゲーターのささきフランチェスコが、指揮者のリチャード・カーシーを観客に紹介。昨年は健康上の理由でツアー序盤での降板を余儀なくされたが、元気にカムバック! 療養中はファンからの応援メッセージが大きな励みになったと感謝し、日本全国を大好きな音楽、そして仲間と再び一緒に回ることができて幸せだと語る彼に、大きな拍手が贈られた。

 お待ちかね『アナと雪の女王』は、このアニメーション映画のオープニング・シークエンスを忠実に再現した形でスタートする。最初は真っ黒だった舞台上のスクリーンに、ディズニーのお城の夜景と共に浮かび上がるDISNEYのロゴ、そして1928年公開の短編映画『蒸気船ウィリー』からのミッキーマウスの映像、さらには本作を象徴する雪や氷の結晶から原題の『FROZEN』が映し出され間に演奏されるナンバー「ヴェリィ」がもう鳥肌ものだ! 「ナーナーナ・ヘイヤーナ….」(のように聞こえる)と7人のヴォーカリストとオーケストラのメンバーが声を合わせるメロディラインは、言葉は分からなくても神聖で美しいものがきっと感じ取れるはず。息つく間もなく次の楽曲「氷の心」が演奏されるころには、きっとアナ雪の世界にどっぷりハマっているだろう。

 かわいらしいナンバー「雪だるまつくろう」で、いよいよ本作の主人公であるエルサとアナ姉妹が登場。2人が幼少時に魔法の雪遊びをするこのシーン、エルサ役のサミ・ケネットとアナ役のエリザベス・マンデルは、もちろん成人した女性だが、声は少女そのもの! スクリーンの中ではしゃぐ、アニメーションのエルサとアナの声を生で聴くという、貴重な体験ができる。姉エルサの魔法の力のせいで妹アナの命が危険にさらされたことをきっかけに、引き裂かれてしまう姉妹。同じ城に暮らしながらも姉に会えなくなってしまったアナが歌う同曲は軽快でアップビートなのに、彼女が置かれた環境のせいで物悲しい響きに。アナは幼少期、少女期、10代と違った年齢で、計3回エルサのいる部屋のドアを叩きながら歌うことになるのだが、マンデルの年齢を演じ分ける力も必見必聴だ。

 そしてエルサの女王戴冠(即位)式を目前に控えた姉妹が歌う「生まれてはじめて」のシーンも最高! 長年閉ざされた城の門がついに開くと大喜びし、運命の出会いだってあるかも!と胸を躍らせるアナと、自分が持つ魔法の力が周囲に知られてしまうのを恐れながら、本当の感情を隠すために心を閉ざそうと決意するエルサ……。美しいハーモニーで、180度異なる心情を吐露する2人の歌声と表現力を堪能してほしい。

 さらに戴冠式の朝や式の場面でかかるインスト音楽の美しさにもうっとり。アナが夜会で意気投合したハンス王子と歌う「とびら開けて」は、ロマンチックな歌詞なのにどこかコミカル。曲終わりでの王子によるプロポーズに即Yes!と返答する展開の速さにもびっくりだが、隠していた魔法の力が露呈してしまい、慌てて城を後にするエルサにも驚愕。

 雪山へと逃げたエルサが歌う「レット・イット・ゴー」は、やはり本作の大きな見せ場だ。自らを抑圧から力強く解き放ちながら、氷の宮殿を建設するシーンは圧巻。どこか不安げでかげりのある表情だったエルサが、徐々に明るい顔となり、自信と元気に満ちあふれた姿に変身する様子がこの1曲にぎゅっと凝縮されているのは本当にスゴい! 音域が広いだけでなく感情の振り幅も広いため、完璧に歌いこなすのが至難の業とインタビューでケネット本人も話してくれていたけれど、鳥肌もののパフォーマンスに拍手喝采してしまう。「The cold never bothered me anyway(少しも寒くないわ)」と歌唱し終わった直後の顔は、歌舞伎の見得を連想させられるくらいゾクっとするので、お見逃しなく。

 エルサを追って雪山へ向かう道中、アナが出会ったキャラたちが歌う「トナカイのほうがずっといい」「あこがれの夏」「愛さえあれば」はどれも短い楽曲ながら、それぞれ味のある名曲で聴き応えたっぷり。さらに、ブロードウェイ・ミュージカル版からの「クリストフ・ララバイ」は、アナへの想いこそが愛の全てと語るナンバーも心に残る。心臓に受けたエルサの魔法で徐々に凍っていくアナへのララバイ(子守唄)なのだと思うと、切なくなってしまうほど。

 物語の終盤は歌詞のない劇版(オーケストラ・スコア)で進行していく本作。「(クリストフ・ベックが手がけた)この美しい劇版をあますところなく演奏できるのも楽しみの1つ。観客の皆さんにも注目していただきたい」と、以前インタビューで指揮者・カーシーが話してくれたのにも納得の音色だった。

 こうして全29曲が披露され、拍手喝采のうちに『アナと雪の女王』のパフォーマンスが終了。最後は観客も参加して「星に願いを」を日本語で歌う、毎年恒例のアンコールで幕を閉じた。この際スクリーンに映し出される、ディズニー・アニメーション映画からの特別映像は、文字通りお宝映像なので、(できるだけ)瞬きしないで見てほしい。ヴォーカリスト、オーケストラ・ジャパン、映像や照明、音響、そしてノリノリの観客たちが一体となっての相乗効果で、楽しく満ち足りた気分にどっぷり浸ることができるディズニー・オン・クラシック。25周年を迎える来年が今から楽しみで仕方ないけれど、年末までにもう1度、この演目が見たい! 心からそう感じる極上のエンタテインメントだった。

 『ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2026』は、12月27日まで全国各地で開催。

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『ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2026』スケジュール

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