そのCMに“怖さ”は必要? 意外と多い「国内外の怖すぎるCM」

あまりにも怖すぎるラストに、21時過ぎまで放映禁止となっているCMがある。それが、アイルランドの交通安全を訴える公共機関DOE Road Safetyが制作した『Classroom(クラスルーム)』だ。
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最初は学校の授業で自然豊かな公園にやってきて、楽しい時間を過ごしている子供たちが描かれた、おもわずほっこりするような映像だが、35秒を過ぎたあたりから雰囲気は一変する。スピードの出しすぎでコントロールを失った車が道路を外れ、公園で集まっていた子供たちに突っ込むのだ。
DOE側は「子どもを殺すかもしれないという不安で、何人かはスピードの出さなくなるかもしれない。だから、あのような残酷な描写を使ったのだ」と説明している。ただし、無謀な運転をするような若者が、このCMに影響を受けるか疑問だという声も上がっている。
アイルランドでは死亡事故の24%がスピードの出しすぎによるもので、DOE側では今までも『The Faster the Speed, the Bigger the Mess(スピードを出すほど、悲劇は大きくなる)』というタイトルで、衝撃的なCMを制作している。
メッセージを伝えるために衝撃的な描写をしているCMは今までも存在した。例えばカナダのオンタリオ州職場安全保健局が制作した『there really are no accident(偶然起こった事故ではない)』は、管理さえしていれば防げたはずの職場での事故について、今まさに事故に合う人や、体に鉄の棒が刺さったり、腕をプラプラさせたりした状態の人が「これは偶然の事故ではない」と説明する。
ただし効果は大きかったようで、放送後の2006年にはオンタリオ州で発生した職場での事故の件数は減少。人口1200万人当たりの職場での死亡事故は101件となった。これはペンシルベニア州やイリノイ州の半分以下だという。