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そのCMに“怖さ”は必要? 意外と多い「国内外の怖すぎるCM」

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 これは現実感のある怖さを描いて成功しているわけだが、それでは現実感のないホラー映画級の恐怖はどうだろう。

 昨年話題になったのは、日本のタイヤ通販会社オートウェイが制作した『雪道コワイ』。インターネット上だけでの公開だったが、怖すぎるCMとして世界中に拡散された。企画制作課の担当者が「タイヤの衝動買いを狙ったCMではなく、タイヤを通販で買うことや当社の存在、そして雪道でスタッドレスタイヤを着けることの大事さが伝われば」と語っている通り、怖すぎるCMのおかげで会社の知名度や業務内容は一気に高まった。

 また、2003年に日本で怖すぎるCMとして話題になったのは、ホラーゲーム『SIREN』のCM。「子どもが怖がる」というクレームが相次いで放送中止になった。日本国内の廃れた村に取り残された人々が、人が変貌した屍人と戦うゲームだが、鉄パイプなどを武器に得体の知らない存在と戦う世界観は、キャッチコピーのとおり「どうあがいても絶望」だ。このゲームの持つ不気味さや肌にまとわりつくような恐怖を表現してしまった同CMは、子どもじゃなくても十分に恐ろしく感じる内容だった。

 ここまではあえて“怖すぎる”ことでメッセージを伝えているCMだが、中には「それは怖くていいの?」と思えるようなCMもある。

 恐ろしい形相のピエロや、チェーンソーを持った殺人鬼などが、水中から必死に浮かび上がろうとしている姿をじっくりと描いたCMがある。それがドイツのオーガニック食品を扱うハーバリアが制作した、『Fears(恐れ)』というCMだ。こんなに恐ろしいのに、宣伝しているのはオーガニック・ティー。それぞれの怪物の足に括り付けられているティーバッグが、彼らを水中へと沈めていく姿を描くことで、「この紅茶が恐れを引き離して、心を穏やかにする」ということが言いたかったようだ。このCMは2013年2月に公開された当時、世界中で大きな注目を浴びた。

 2012年8月に公開されたフィラデルフィアのリトルベビーズアイスクリームのCMは、どうしてそうなった? と思わず聞きたくなるような広告だ。全身を真っ白な液体に覆われた一人の男性が、目を大きく見開きながら自分の頭をすくって食べ続けるだけのCM。 地域密着型の普通のアイスクリームショップが、このようなトラウマになるようなCMを制作したのかは謎だ。ただし、このCMが世界各地で話題になり、フィラデルフィアのローカル店の名前が一気に世界に知られるようになった。ただし、このCMを見て、「アイス食べたい」と思った人がいるかどうかは定かではない。

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