なぜ子どもはサンタに出会うと泣くのか? 専門家がそのワケを真面目に解説

白いヒゲに真っ赤な衣装と帽子を身につけ、プレゼントを抱えたサンタクロースがやってくる季節。誰もが喜ぶクリスマスだと思いきや、アメリカでは「なぜ子どもはサンタに出会うと泣くの?」と題した記事が公開され、専門家たちがそのワケを真面目に解説している。
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ニューヨーク・プレスビテリアン病院ウェリー・コーネル医学校にある精神医学部の准教授ガリ・サルツ氏は、サンタが子どもにとって“他人”であることを強調する。「まったくの赤の他人であり、今まで誰も見せたことのない妙な出で立ちで『ホ、ホ、ホ(ho ho ho)』と話しかけてくる。場合によって、子どもたちは他人であるサンタの膝の上にのせられることすらあります」と説明し、「だから恐怖に駆られるのも無理はない」とサルツ氏は言及している。ヒゲと帽子が顔を覆うのも良くない。「顔は子どもにとって、相手の感情を見極める重要な鍵となります。顔が見えにくいサンタは、怒っているのか、慌てているのか、それとも何を思っているか分かりにくいのです」得体の知れない他人が近寄ってきたら、たしかに怖い。
テキサス州オースティンの小児科医アリ・ブラウン氏はサンタの存在について、「生後15ヵ月から7歳になるまでの間、子どもはサンタやミッキーマウスのようなオモチャをモンスターのように恐ろしいものだと認識する可能性があります」と語る。「現実とファンタジーを完全に区別して認識できていない彼らにとって、サンタはストレスになり得るのです」。大切なことは、サンタに触れることを強制させないこと。「サンタから遠ざけて、まずは観察させることが大切です。他の子どもたちが彼の膝に座っているところを観察させ、安全なシチュエーションだと認識させるのです」。慣れてきたら、ゆっくりサンタに近づけ、観察させる。「でも無理はさせないでください」とブラウン氏は、慎重な行動を念押しする。
どうしても子どもをサンタに会わせたい。サンタとすぐ一緒に楽しんでもらいたい。そこでクリスマスに備えてお勧めの策は、子どもにサンタの絵本や写真、漫画を見せること。日頃からサンタを目に触れる機会を設け、拒絶反応を減らす狙いだ。サルツ氏は「子どもの父親にサンタのような服を着させる良いですね」とさらに入念な準備を勧める。しかし最後に「生身のサンタを経験することは、聖なる休日を楽しむのに必ずしも必要ないと思いますけどね」と締めくくっている。