宮崎駿企画『幽霊塔へようこそ展』ジブリ美術館で開催、乱歩のロマンに思い馳せる

宮崎駿監督が大きな影響を受けたという江戸川乱歩の長編小説『幽霊塔』を取り上げ、描き下ろしの漫画パネルなどを展示する企画展示「幽霊塔へようこそ展 ―通俗文化の王道―」が東京・三鷹の森ジブリ美術館にて開催される。
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『幽霊塔』は、英国の作家A・M・ウィリアムスンが1898年に発表した小説『灰色の女』を翻訳した新聞連載小説をもとに、江戸川乱歩が乱歩流の変化を加え書き改めたもの。
中学生の時にこの小説を呼んだ宮崎監督は、主人公たちの織りなすロマンスや、話の重要な舞台である時計塔の歯車やその機構に憧れ、その後、劇場長編作品として初監督した映画『ルパン三世 カリオストロの城』(79)では、自分なりに考えた時計塔やロマンスを盛り込んで作品を作ったと話している。
本展示で宮崎監督は、企画・構成を担当。「この小説は通俗文化の王道をゆくものである」とするその理由を、自身の描き下ろし漫画にて解説する。さらに、館内中央ホールには、宮崎監督デザインによる大きな「時計塔」が出現するだけでなく『ルパン三世 カリオストロの城』のジオラマが登場し、その舞台の構造についても紹介。物語の舞台となる「時計塔」の魅力を解き、怪奇大ロマンの世界に思いを馳せてみてはいかがだろうか。
「幽霊塔へようこそ展 ―通俗文化の王道―」は5月30日より開催。終了は2016年5月予定。同美術館は日時指定予約制をとっているため、チケット購入方法など詳しくはホームページにて。