パルム“ドッグ”受賞の兄弟犬、カンヌを震撼させたワンコ怪演の秘密とは

第67回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門グランプリとパルムドッグ賞をダブル受賞した『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』が、11月21日より公開される。本作では、その怪演ぶりでカンヌを震撼させ、イギリスの「Time Out London」は「まるでアル・パチーノだ!」と絶賛した兄弟犬の怪演ぶりに注目が集まっている。
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舞台は、雑種犬に重税を課すという悪法が施行された街。13歳のリリは理解のない父親によって愛犬ハーゲンを捨てられてしまう。主人を失ってしまったハーゲンは安住の地を求めて街を彷徨う。闘犬トレーナーに売られ、トレーニングを通して野生を取り戻したハーゲンは、同じく虐げられてきた保護施設の犬たちを従えて人間に対して反乱を起すのだった…。
主役のハーゲンを演じたのはアリゾナ出身のルークとボディの兄弟犬。作中でまるで人間かのような細やかな表情を見せ、カンヌではベスト犬演技を選ぶ「パルムドッグ賞」を受賞。本作のドッグトレーナーである動物コーディネーター、テレサ・アン・ミラーによると、ハーゲンの役を二匹の個性によって演じ分けさせたという。そして細かい顔の表情は、トレーナーが見本を見せ、その顔真似で表現させたとのこと。
犬たちに、撮影や演技が苦痛にならないよう「とにかく遊び感覚を入れたわ」と明かすテレサ。また、二匹から様々な表情を引き出すために何よりも大事にしたのは「とにかく絶対的な絆を深めることで、“あなたは私にしっかり守られてるんだよ。”と信じてもらえるようになることだった」と振り返った。
ちなみに見た目がそっくりな二匹を見分ける方法は“尻尾”。ボディの尻尾は背中に向かって全部カールしていいるが、ルークの尻尾はピンと立っているとのことだ。またボディの顔はルークと比べてしわが多いとのことだ。
映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』は、11月21日より全国ロードショー。