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大林宣彦監督の妻・恭子氏が追悼コメント発表「彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった」

映画

大林宣彦監督と妻でプロデューサーの大林恭子氏
大林宣彦監督と妻でプロデューサーの大林恭子氏

 肺がんのため10日に死去した大林宣彦監督の妻でプロデューサーの大林恭子氏が14日、追悼コメントを発表した。

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 最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』をはじめ、長年大林作品でプロデューサーを務めてきた恭子氏。亡くなる前、監督は連日連夜、映画の撮影現場にいるらしい夢を見ていたといい、数日前の真夜中には、途切れ途切れに聞こえてくる言葉の最後に「ありがとう」と言っていたという。

 恭子氏は、監督は「死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない」が口癖で、その言葉通り「本当に眠りませんでした」と振り返った上、「今頃、ロケハンの途中の天国村で、黒澤明監督や本多猪四郎監督、立川談志さん、高畑勲監督、和田誠さんにお会いして、映画談義が尽きることなく、やっぱり眠っていないのではと思います」と思いをはせた。

 さらに、「まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった。大林作品を愛して下さったすべての人に監督の『ありがとう』をお伝えしたく存じます」と記した。

■コメント全文

この度、監督は、次回作のロケハンに出かけました。連日連夜、映画の夢の中、撮影現場にいるらしい監督は元気な声で「ヨーイ、スタート。カット。オーケー。皆、お疲れさん、ありがとう」。毎晩その楽しそうな声に私は目を覚まし、「お疲れさま、ありがとう」と答えていました。数日前、真夜中に講演らしきお話をしていました。そんな中「岩井君、手塚君、犬童君、塚本君たちが映画をつないで平和な世の中に……」と、とぎれとぎれ聞こえてくる言葉、いつもと変わらない最後の言葉「ありがとう」。そして、監督が繰り返した「皆さん、ありがとう」を監督の遺言としてお伝え致します。

私との63年間の日々は、文学と音楽と映画の日々。いつも監督の口癖は「眠るのは死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない」と本当に眠りませんでした。今頃、ロケハンの途中の天国村で、黒澤明監督や本多猪四郎監督、立川談志さん、高畑勲監督、和田誠さんにお会いして、映画談義が尽きることなく、やっぱり眠っていないのではと思います。
まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった。大林作品を愛して下さったすべての人に監督の「ありがとう」をお伝えしたく存じます。
「ありがとう」の言葉に、毎晩、私からも監督に「ありがとう、愛してる」と真夜中の涙。
すると「お休み……」と返事が…。今頃ロケハンで未知なる道を見つけてくれていることと思います。 

2020年4月14日 大林恭子

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