元モー娘。鞘師里保、主演舞台で完全復帰!音楽朗読劇『黒世界』 開幕

元モーニング娘。の鞘師里保が主演する音楽朗読劇『黒世界 ~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~』が20日、東京・サンシャイン劇場にて開幕した。
【写真】鞘師里保が主演する音楽朗読劇『黒世界』 ステージの模様
本作は、劇作家・末満健一がライフワークに掲げ、2009年から展開する「TRUMPシリーズ」の新しい試み<shared TRUMPシリーズ>の第一弾。ひとつの世界観を複数の作家が共有して創作する“シェアードワールド”の手法を用いた短編アンソロジー形式での公演で、<雨下の章>と、<日和の章>の2つの物語を同時上演する。
2015年12月31日に惜しまれながらモーニング娘。を卒業した鞘師は、英語とダンスを勉強するため海外留学を経験。約5年間の充電期間を経て、本作が本格的な活動再開となる。
全編通して描かれるのは、TRUMPシリーズ2作目で2014年にハロー!プロジェクトメンバーが出演したミュージカル『LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-』の主人公・リリーの物語。繭期のまま不老不死となってしまったリリーが、自らをチェリーと呼ぶ幻覚と共に旅をする中で生まれた出会いと別れが、さまざまなカタチで語られる。リリーは『LILIUM』に続き鞘師が、チェリーは新良エツ子が演じる。
<雨下の章><日和の章>ともに、「朗読劇」の典型的なイメージである椅子に座って物語を語っていくスタイルとは全く違う仕上がり。手に台本を持ち、ソーシャルディスタンスを保つという不自由に囚われながらも、役者たちは美しい音楽、衣装、舞台美術、照明と共に全身で芝居をし、観客を物語に引き込んでいく。
<雨下の章>は、リリーとチェリー、そしてリリーを見守る男が登場する末満脚本の3作が太い軸となりながら、終わりある命の中にある“永遠”の物語や、美しきヴァンパイアハンターの苦悩、先が読めないミステリーなど、色とりどりの物語が描かれる。出演は、鞘師と新良、そして樹里咲穂、池岡亮介、大久保祥太郎、宮川浩、中尾ミエ、松岡充。
<日和の章>も末満脚本による、ある家族の長い時間を描いた物語を軸にしながら、罪悪をテーマにした物語や、ヴァンパイアのイメージを逆手に取ったコメディ、本シリーズの設定を巧みに生かした恋愛ものなどが描かれる。出演は、鞘師と新良、上原理生、MIO、YAE、三好大貴、中山義紘、朴ろ美。
脚本は、<雨下の章>が末満ほか中屋敷法仁、降田天、宮沢龍生、<日和の章>が末満ほかお岩井勇気(ハライチ)、葛木英、来楽零による書下ろし。演出はすべて末満、音楽は和田俊輔が手掛ける。
東京公演は、同所で10月4日まで行われ、10月14日から20日までは大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで上演。そのうち、10公演分はライブ配信される。
※『黒世界』の「黒」は旧字体