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『プロミシング・ヤング・ウーマン』鮮やかな色彩の理由 「“女の子が好きなもの”を再利用して恐ろしいものを作りたかった」

映画

映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』場面写真
映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』場面写真(C)2020 Focus Features, LLC.

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キャリー・マリガン

エメラルド・フェネル

 米アカデミー賞で作品賞含む5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞したキャリー・マリガン主演映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』。その巧みなストーリーテリングのほか、ブラックでセンシティヴなテーマとは相反する、ポップでカラフルなビジュアルも話題を呼んでいる。このたびそんな本作より、さまざまな衣装に身を包んだヒロインの場面写真と、衣装のスケッチ画が到着した。

【写真】華やかなファッションに身を包む主人公 装飾もカラフル

 本作は、ある事件によって理不尽に未来を奪われた、“前途有望な若い女性”だったヒロインによる復讐(ふくしゅう)エンターテインメント。監督を務めたのは、ロマンチック・コメディーと復讐劇を融合させた独創的な自身の脚本で長編デビューを飾ったエメラルド・フェネル。

 本作ではキャシーのファッションや、彼女が働くカフェ、ライアンとのロマンスシーンなど多くの場面において色彩豊かなカラーが取り入れられている。“復讐劇”という暗いテーマとは対照的なポップなビジュアルも、作品の大きな特徴のひとつとなっている。

 フェネル監督は、本作をあえて鮮やかな色彩で彩った意図について「“女の子が好きなもの”を再利用して恐ろしいものを作りたかった」と明かす。また「女性はうまくいっていないときほど自分を奇麗に着飾る」と考え、昼間のキャシーにはリボンやギンガムチェックなど華やかなファッションを着せ“私は元気”という雰囲気を醸し出したという。これにより、観る人にある種の違和感を抱かせ、キャシーの人生の何かが酷くゆがんでいることを示唆しているのだ。

 またキャシーが両親と暮らす家は、ゴージャスな家具を用いた、80年代を感じさせる幻想的な空間。しかし家具たちはどこか色あせ、長年手入れをされていないような状態となっている。これは、ある事件から時が止まり、現実の世界と向き合わないキャシーの生活=心と結びついているかのよう。一方、夜な夜な出歩くキャシーのファッションは、特定の男性に魅力的に見られるための武装ともいえるスタイル。ある晩は華やかなヒップスター、ある晩は仕事帰りの女として、ボディコンシャスな服に身を包む。

 衣裳を担当したナンシー・スタイナーは、ソフィア・コッポラ監督の『ヴァージン・スーサイズ』(1999)や『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)、ヨルゴス・ランティモス監督の『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(2017)など、個性派映画監督とのコラボレーションで知られる。本作での衣装デザインで、全米衣裳デザイナー組合賞(CDGA) の衣裳デザイン賞(現代映画部門)を受賞した。

 今回解禁されたナンシーによるヒロインのデッサン画は、コスチュームだけでなく背景も色彩を取り入れ、映画の世界観そのものが描かれたもの。カフェでのスケッチ画では、パステルカラーを使ったラフなファッションで、カフェ自体が彼女の空間としてマッチしている。ナースのコスプレのスケッチ画は、木目を背景に派手な髪色でポーズを決め、勝負服といった印象。医大を退いたはずの彼女が、なぜこの大胆なユニフォームを着なければいけなかったのか。その理由をスクリーンで確かめたい。

 映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、東京・TOHOシネマズ日比谷と大阪・TOHOシネマズ梅田にて7月9日より先行公開。7月16日より全国公開。

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