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美しき姉弟によって繰り広げられる、危険な戯れ――『恐るべき子供たち』4Kレストア版予告

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映画『恐るべき子供たち 4Kレストア版』メイン写真
映画『恐るべき子供たち 4Kレストア版』メイン写真(C)1950 Carole Weisweiller (all rights reserved) Restauration in 4K in 2020 . ReallyLikeFilms

 ジャン・コクトーの小説をジャン=ピエール・メルヴィルが映画化したフランスの名作『恐るべき子供たち』(1950)の4Kレストア版が、10月2日より公開されることが決定。予告編が解禁された。

【動画】『恐るべき子供たち 4Kレストア版』予告

 1920~1950年代のパリで詩・小説・絵画・演劇・批評・映画などマルチな才能を発揮して活躍し、『美女と野獣』『オルフェ』ほか数々の名作を生み出したジャン・コクトー。一方、スタジオ式の撮影スタイルとは距離を置き即興性を重んじた撮影方法を敢行、以後の映画界に大きな革新をもたらし、後には『サムライ』や『仁義』などに続くフイルム・ノワールのスタイルを確立していったジャン=ピエール・メルヴィル。

 本作は、そんな2人がタッグを組んで作り上げた、ヌーヴェルヴァーグの礎を築いた作品。強い愛情で結ばれた美しき姉と弟によって繰り広げられる、危険な戯れを描く。メルヴィルの撮影スタイルに共鳴し参加した撮影のアンリ・ドカエも、この後ルイ・マル監督作『死刑台のエレベーター』やトリュフォー監督作『大人は判ってくれない』でヌーヴェルヴァーグの大きなうねりの一端を担った。

 姉を演じたニコール・ステファーヌは、ロスチャロイルドの家系出身。弟役のエドゥアルド・デルミットは、コクトーに「彼は私にとって“美”そのもの」と言わしめ、彼の寵愛の下で生涯を送った。

 ある雪の日の夕方、子供達の雪合戦が熱を帯びる中、ポールは密かに想いを寄せていた級友ダルジュロスの放った雪玉を胸に受け倒れてしまう。怪我を負ったポールは自宅で療養することになるが、そこは姉エリザベートとの秘密の子供部屋。他者の介入を決して許さない、危険な愛と戯れの世界だった…。

 予告編は、「愛し合い、傷つけ合う美しき姉弟の危険な戯れ(ゲーム)」を象徴するシーンなど、数々の印象的な場面を収めたもの。そのほか、監督のメルヴィルが原作のコクトーの反対を押し切って、一人二役で抜てきした女優のルネ・コジマが、弟ポールが密かに想いを寄せていた少年ダルジュロス役と、ダルジュロスにそっくりな少女アガット役を演じ分ける様子も垣間見ることができる。

 本作の日本語字幕は、今回の4Kでの公開を機に一新。『燃ゆる女の肖像』の横井和子氏が翻訳を担当し、小説版『恐るべき子供たち』の翻訳者でもあるフランス文学者・映画評論家の中条省平氏が監修を担った。また最新の4K映像は、コクトーとメルヴィルがこだわった美術や撮影のディテールが、深みのあるモノクロームの映像の中でクリアに再現されている。

 映画『恐るべき子供たち 4Kレストア版』は、10月2日よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国公開。

映画『恐るべき子供たち 4Kレストア版』予告編

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