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松岡充、アーティストとしての自身と共鳴したミュージカルに挑む「同じ感覚を持ったセリフたちがそこにあった」

演劇

松岡充
松岡充

 ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者~』が、2026年9月1日から9月13日まで、新国立劇場 小劇場にて上演される。本作は、第7回韓国ミュージカルアワーズにおいて大賞・脚本賞・主演男優賞の三冠を受賞し、音楽賞にもノミネートされた話題作。エンタテインメント性、芸術性、社会性を兼ね備えた作品として高い評価を受け、韓国ミュージカル界を代表する傑作として注目を集めた。物語は、独裁者の“4番目の影武者”として生きた過去を持つ老人ネブラと、過去の傷を抱えながら生きる若い女性スアの出会いを軸に展開。2人の交流を通して、「自分自身であるとは何か」という普遍的なテーマを問いかけ、観る者の心に深い余韻を残す。主人公のネブラを演じる松岡充に本作への思いを聞いた。

【写真】まさに奇跡の50代! 松岡充の全身ショットも

■30数年の音楽活動に共鳴する作品テーマ

――最初に脚本を読んで、出演を決められたときの思いを聞かせてください。

松岡:僕はアーティストとして、30数年活動してきましたが、自分の中にある心のひだのようなものを表現するために、歌詞や楽曲、作品の中で、1つずつ「こうじゃないか」と創りながら壊して、壊しながら創ってやってきました。そうして創り上げた楽曲は、200曲以上あります。ただ、それらはもちろん一気にできたものではなく、足の裏に伝わってくる感覚や痛みといったものを伴いながら、一歩ずつ、長い時間をかけて紡いできたものです。今回の脚本の中には、「僕のこれまでの作品を聴いてくれてたんですか?」と思ってしまうほどの言葉が脚本に詰まっていたんです。当然ながら、原作を書いた方は僕のことを知らないと思いますが、知っていたのではないかと疑ってしまうくらい、自分が表現したい、してきた言葉たちと酷似していて、同じ感覚を持ったセリフたちがそこにあった。それが、この作品に出演したいと思った1番の理由でした。

――そうすると、SOPHIAのファンの方や、松岡さんをずっと見てこられた方がこの作品をご覧になったら、「これか」とピンとくる言葉もたくさんあるということですね。

松岡:きっと同じ感覚になってくれると思います。例えば、チラシに書かれた「跳び上がる、ただ呼吸するために」というキャッチコピーや波を模したビジュアルもそうです。僕はこの作品のお稽古の最中の週末ごとに全国ツアーがあるのですが、そのツアーは1998年にリリースしたアルバム『ALIVE』のテーマを28年ぶりに引っ提げて行うツアーなんです。SOPHIAの音楽的位置を決定づける作品と言っても過言ではないと思います。この『ALIVE』というアルバムの中の「DIVE」という曲の中に「波をきって泳いでいけたら」という歌詞があるのですが、今回のビジュアルを見ているとこの曲が流れてくるんですよね。それに、『SHOWMAN』というタイトルからは、同じくアルバム『ALIVE』に収録されている「ビューティフル」という楽曲の歌詞「永久未来 続くものなど あるはずはないから」という歌詞が思い浮かんでくる。この「永久未来 続くものなどない」に全てが詰まっているような気がします。僕はこれまで何十年間か演劇やドラマ、映画をやらせていただきましたが、ここまで自分の作品のベクトルとアンテナが共通していると感じたのは初めてです。

――今回演じるネブラという人物にも、共感するところや自分を重ねるところも多いですか?

松岡:これまでの人生を考えたときに、共感するところはたくさんあります。ネブラは、俳優をやっていたときに、自分に模写する才能があることに気づいて、(独裁者の)影武者となりますが、そのときに初めて自分の居場所を感じることができたんです。その後、戦犯となってしまいますが、自分自身に「自分は人としてどうなんだ」と問いかけながら、余生を生きています。僕の人生も例えば、「本当の松岡充は何者ですか? ミュージシャンですか? 1人のヴォーカリストですか? それともバンドのヴォーカリストですか? それとも俳優ですか? どれですか?」と聞かれてもその答えは分かりません。かといって、自分の中で切り替えているわけでもないんですよ。じゃあ、全てが松岡充の素なのかと言われたらそうでもない。結局、自分は何者なのかを探しているんだと思います。俳優、SOPHIAのヴォーカリスト、ミュージシャン、コンポーザー、タレントの仮面を使い分けているのではなくて、松岡充という仮面をつけている何者かなんですよ。ネブラもネブラという仮面の下に隠れている自分を知りたい。それを知った上で人生を終えたいと思っている人に僕は見えます。そうしたところは、シンクロしている気がします。

――松岡さんも「自分が自分自身であるとは何か」を今も問い続けているんですね。

松岡:「これが僕です」ということはなかなか難しいですよね。それが正直な気持ちです。そのとき、一緒にいる人によっても変わってきますから。どれも自分だと言えるけれど、それはどこか綺麗事な気もする。もっともっと汚い部分もあるし、もっともっとずるい部分も、人様に見せられない自分もいるということはどこかで分かっている。きっとそうした想いは、誰もが抱いているものなのではないかと思います。僕も、最初に脚本を読んだときに、「俺って何者なんだろう」と改めて考えましたし。なので、劇場でこの作品をご覧になる方も、きっと僕と同じ感覚になってくれるのではないかと思います。

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■小劇場で贅沢な生演奏「本当に安心できます」

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【公演概要】

ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者~』
ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者~』キービジュアル

ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者~』

【公演日時・会場】
9月1日(火)~9月13(日)全17公演
新国立劇場小劇場

【出演】
松岡充 潤花 藤岡正明 万里紗 福井晶一 福室莉音

【脚本・作詞】
ハン・ジョンソク

【作曲】
イ・ソニョン

【翻訳】
宋元燮

【上演台本・訳詞・演出】
シライケイタ

【音楽監督】
国広和毅

【演奏】
前田涼子(Pf)、国広和毅(Key)、熊谷太輔(Perc)、大野萌子(Trp)、磯部舞子(Vn)、島津由美/平井麻奈美(Vc)

【スタッフ】
振付・ステージング:木下菜津子
美術:長田佳代子
照明:横原由祐
衣裳:半田悦子
音響:岡田 悠
ヘアメイク:田中エミ
演出助手:有坂美紀
稽古ピアノ:前田涼子
舞台監督:川除学
票券:サンライズプロモーション
制作:横井佑輔、大友泉
プロデューサー:宋元燮、石橋千尋
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