増澤ノゾム演出『父と暮せば』札幌で上演へ 原爆投下から3年後の広島で生きる父娘描く
2015年からこの作品に向き合って、ほぼ毎年のように上演しています。
毎回何かが見えたり、わからなくなったり……そんなことを繰り返しています。井上ひさし氏の迷宮の中でいまだ模索が続いています。
二つの理由で続けなければいけないと思っています。
一つはこの歴史を忘れないために。その中で確かに生きていた人々を忘れないために。
言葉の力を信じている作家が心血を注いだ、明日の時代へ送る想いが込められています。
もう一つは自分のために。読み解く脚本として、演じる役として、これほど役者に語りかけてくる台本はありません。
演じるたびに自分を正してリセットしてれる、こういう本はなかなかありません。
美味しそうに饅頭を頬張る娘、美津江を見るたびに、溢れてくる愛情を新たに胸に抱いて、「命こん限り続けるんじゃ」とささやかに、でも確かに決意するのです。毎回、毎回…
圧倒的に理不尽な力で喜びも幸せも奪い去られる。
いまだに世界どこかで起こっている、そんな行為に心からの反対をこめて。
人の愛情がそんなものに踏みつぶれないよう、心からの決意をこめて。
【公演概要】
MAMコンカリーニョ20周年記念提携企画『父と暮せば』
■会場:ターミナルプラザことにパトス
■作:井上ひさし
■演出:増澤ノゾム
■出演:高宮千尋(「高」は「はしごだか」が正式表記)/山木眞綾/志田杏樹/剣持直明/松橋勝巳/増澤ノゾム
■舞台監督:下澤要
■演出助手:森谷宏平
■音楽:奥田祐
■照明:竹山由梨
■音響:橋本一生
■美術:高村由紀子
■制作:武田智美/松本成美
■スーパーバイザー:高橋海妃/ほしばみえこ
■主宰:MAM
■協力:NPO法人コンカリーニョ
札幌演劇シーズン実行委員会