クランクイン!

小林賢太郎作・演出『オールトの雲 ~天文台の大問題~』開幕 それぞれの居場所と向き合う普通の人々を描く“アカデミック・コメディ”

演劇

『オールトの雲 ~天文台の大問題~』ゲネプロ舞台写真
『オールトの雲 ~天文台の大問題~』ゲネプロ舞台写真 撮影:小林未和

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小林賢太郎

オクイシュージ

鍛治本⼤樹

鈴⽊サアヤ

前⽥友⾥⼦

松井⾹乃

松本亮

三枝奈都紀

三原⼀太

 劇場へ入るとブルーで統一された照明に、月や惑星を思わせる球体がいくつも浮かび上がっている。ここは近未来? 宇宙? いや、プラネタリウム…? 始まったのは、田舎の村に住む等身大の私たちのような人々を描く物語だ。劇作家・小林賢太郎が脚本・演出を手掛ける『オールトの雲 ~天文台の大問題~』が、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで開幕した。

【写真】吸い込まれそうなブルーの照明も印象的!『オールトの雲 ~天文台の大問題~』ゲネプロ舞台写真

◆登場人物誰かしらに自分を当てはめられる物語

 仕事を辞め、離婚して東京から故郷の宵待村に出戻ってきた網野翠香(鈴木サアヤ)。老舗旅館の4代目の平家紀夫(鍛治本大樹)や、村役場に勤める根本辰也(三原一太)は、翠香の天文学者の父が、村の莫大な資金を使って作りかけたが未完成で、今や負の遺産といわれる天文台を完成させ、村おこしをすることを計画する。しかし、この天文台は通常とは違い、謎めいていた…。

 村の料理屋には、世界の料理の腕を振るう常盤里乃(前田友里子)や、ワイナリーを営む望月洋(松本亮)、村で動画配信する犬山青菜(松井香乃)、オーガニックな生活を求めてやって来たモデルのMINAKO(三枝奈都紀)、天体カメラマンの大場鶴人(オクイシュージ)が集う。田舎暮らしを楽しむ今どきの人々に見えるが、天然だったり、素っ頓狂だったり、変わっていたりして、ユーモラスでコミカルな会話が展開し、クスクスと笑ってしまう。人に知られたくない話を、翌日には村人全員が知っていたり、人生でヤモリを見たことがない人がいたり、〝田舎あるある〟も盛り込まれる。

 なぜ、皆、この辺ぴな何もない村にいるのか。それぞれの理由が段々と明かされていく。自己肯定感が低い翠香や、東京に強い憧れを抱く平家。誰もがこうありたい、あるべき自分の姿を求めてもがいている。

 小林は、「この物語のテーマは『居場所』です。自分の居場所に納得してる人。自分の居場所を疑っている人。自分の居場所が変化した人。8人の登場人物が、それぞれの『居場所』といろんな向き合い方をしています。観てくださった人は、きっと誰かしらに自分を当てはめられるんじゃないかと思います」と語っている。

 今作は、2025年に上演した『学芸員 鎌目志万とダ・ヴィンチ・ノート』に続く〝アカデミック・コメディ・シリーズ〟の第2弾。アカデミック・コメディと銘打つ通り、天文学に詳しくない観客にも分かりやすく、見やすいように作られている。中でも、大場が翠香に星を見せるシーンは学ぶことが多く、かつ目を見張らされた。今作のタイトルの「オールトの雲」とは、太陽系を包む小天体の層で、彗星のふるさとと言われている。科学的に存在は認められているが、まだ誰も見たことがないという。

 常日頃、格別に輝いてもいない翠香のような、私たち普通の人々を星屑の層の「オールトの雲」に例えている。大場の「見えないイコール存在しないってことじゃない」と言うセリフに優しく励まされた。

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◆オーディションで選ばれたキャスト陣の演技に惹きこまれる

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【公演概要】

『オールトの雲 ~天文台の大問題~』

◆日程・会場
8月21日~23日:大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
8月28日・29日:福岡・キャナルシティ劇場
9月2日~6日:東京・サンシャイン劇場

◆脚本・演出
小林賢太郎

◆出演
オクイシュージ
鍛治本⼤樹
鈴⽊サアヤ
前⽥友⾥⼦
松井⾹乃
松本亮
三枝奈都紀
三原⼀太

【ライブビューイング】9月6日16時公演
https://www.aeoncinema.com/cinema/event/oortcloud-stage.html

【Blu-ray】https://shoport.com/oortcloud

【公式サイト】https://oortcloud-stage.com/
【公式X】@kamameshiman_KK
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