咲妃みゆ、宝塚退団10年を前に熱望した作品にチャレンジ「音楽学校の合格発表を見た時の衝撃にも似た喜びと興奮」
元宝塚歌劇雪組トップ娘役で、退団後は舞台、ドラマ、映画とさまざまな作品でその類まれなる演技力を発揮する咲妃みゆ。数々の演技賞に輝き、出演作の途切れない彼女が「夢が叶った!!」と語るほど熱望した舞台『スカイライト Skylight』への出演を果たす。
【写真】宝塚退団から10年近く経ってもキュートな魅力は変わらず!
◆圧倒され衝撃を受け、素晴らしさを周囲に熱弁した作品に念願の出演
本作は、イギリスの劇作家・デヴィッド・ヘアによる作品で、かつて不倫関係にあった男女とその息子、3人だけの会話劇。1995年にロンドンの国立劇場で初演されると絶賛を博し、ローレンス・オリヴィエ賞を受賞。翌年、ウェストエンドやブロードウェイにも進出。2015年にはトニー賞リバイバル作品賞を受賞するなど、時代を超えてもなお評価されている。当時のイギリスの社会情勢を背景に、登場人物たちの複雑な関係性や感情の機微、駆け引きが描かれ、さまざまな価値観や生き方が浮かび上がる普遍的な人間ドラマだ。
――出演オファーをお聞きになった時のお気持ちはいかがでしたか?
咲妃:何年か前にナショナル・シアター・ライブで拝見して、たった3人の登場人物の中で壮大な人間ドラマが繰り広げられていく、大変稀有な作品だと衝撃を受けました。
私が演じさせていただくキーラは30代の設定なのですが、作品を観て圧倒された私は、30代のうちにどうしてもこの役を演じさせていただきたい!という夢を抱いてしまい、そこからこの作品への思いがもう溜まりに溜まっていたので、出演のお話をいただいた時は夢が叶った!!という気持ちでした。宝塚音楽学校の合格発表を見た時の衝撃にも似た喜びと興奮でいっぱいになるくらい、私にとって思い入れが強い作品です。
それまで私は、この役を演じたい!という夢や目標を持たないようにしていたんです。このお仕事をさせていただいているだけで幸せなのに、この役を!という目標が生まれてしまうと、叶わない場合俳優としてしんどいなと思って。そんな考えをも覆す作品と役に出会えたことは、人生の宝物だと思っています。
――『スカイライト Skylight』への思いを周りにアピールされたり?
咲妃:マネージャーさんには、この胸の内を聞いていただきました。映画館で拝見して、1週間興奮が収まらなかったんです。そんなことは初めてだったので、「どうしてほしいとかそういうことではなくて、とにかくマネージャーの皆さんに、私の俳優としての興奮を共有させてください!」と事務所でお時間をいただいて、「こういう物語で、それで私はこういう興奮を覚えました! 以上です!」みたいな感じでお話しました(笑)。
――どんなところに魅力を感じて、それほどまでに心を鷲づかみされたのでしょうか?
咲妃:圧倒的な会話劇で、そこに凝縮された感情の波と社会的な壁に、私はうち震えました。
3人登場人物が現れますが、3人はお互いに愛し合っています。それは家族という形であったり、恋愛の形だったり、愛情が確実に存在することは誰の目にも明らかなのに、会話を繰り広げる彼らは、時にとげとげしく相手を傷つけたりもするし、痛みをいたわり合ったりもする。それが社会の縮図のようにも感じて、他人事とは思えないと感じたところが、強く惹きつけられた1つの要因だと思います。
――その感情の波というのはどういったものなのでしょう。
咲妃:あることをきっかけにキーラは彼らの元を離れて、数年後に再会するのですが、その数年の間にそれぞれ直面してきたものが様々あって。数年前の3人から時が止まっている部分もあれば、それぞれが時を進めている部分もある。止まっているものと動いているものがごちゃ混ぜになっていることで状況がより一層複雑化しているし、そんな中でお互いを想い合い求め合う気持ちは強いし。そんな感情が波となってお客様に伝わる作品だなと思います。
登場人物みんな、感情をストレートに伝えることをためらう大変不器用で人間味溢れる人々なので、応援したくなったり、歯がゆくなったり、「分かる!」と共感したり、そういったことが上演中に巻き起こる作品だと感じます。ワンシチュエーションなんですけど、きっと飽きずにご覧いただけると思いますし、そうあれるように頑張りたいです。
◆多層的で複雑だけど「それが人間だよな」とスッと共感できる作品
【公演概要】
『スカイライト Skylight』
2027年1月20日~1月31日:神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
2027年2月6日・7日:兵庫・神戸文化ホール 中ホール
◆作
デヴィッド・ヘア
◆翻訳
小澤英実
◆演出
杉原邦生
◆出演
咲妃みゆ
山路和弘
中山翔貴