井上和が語る“乃木坂46加入5年目の現在地” 「グループを発信するフェーズに」

インタビュー
2026年7月19日 07:00

■乃木坂46を外へ広げた先輩たちの背中を追って

 「吹き替えるにあたって、どういう風にアプローチをしていくべきなのかすごく悩みました。オーディションで自分の声を認めていただいた点は大切にしたいと思いつつ、声帯を変えることはできないので、オリジナルのシェルビー・ラバラさんが演じるスナッピーの雰囲気を、すべて表現するのは難しい気がして。ただ、どのキャラクターも日本語吹替版だからこそ伝わる魅力が確実にあると、過去の『トイ・ストーリー』シリーズから感じていたので、スナッピーのキャラクター性を尊重しつつ、声を当てていきました」。

 特に井上が大切にしていたのは、スナッピーの話し方。「スナッピーはすごく明るくて、たくさんしゃべるキャラクターなので、その点を意識してほしいとオーディション時からディレクションがありました。シェルビーさんのスナッピーもとても早口だったので、お芝居として大きなポイントだったかなと思います」と明かす。


 そんな井上の芝居は、驚くほど世界観に溶け込んでいる。ピクサーの生き生きとしたアニメーションに、井上のかわいらしいけれども芯のある声がマッチし、“初めまして”のキャラクターにもかかわらず、見る者を一瞬で虜(とりこ)にする。

 乃木坂46の現役メンバーで初めてディズニー&ピクサー作品の日本版声優に選ばれたことは、喜びとプレッシャーが入り混じった感情だったと井上。「乃木坂46は約15年続いているグループで、先輩たちが作ってくださった道があり、後輩たちには、それを汚さないように進まなければという怖さもあります。いろんな畑を耕してくださった先輩たちの姿を見てきたので、今回わたしが一番最初に新しい畑に足を踏み入れることができたのはすごくうれしかった。でもその反面、ここでしっかり頑張らないとというプレッシャーはすごく感じました」と打ち明ける。

 六期生が入って1年。乃木坂46加入から5年目に入った井上のまなざしには、先輩としてグループを引っ張っていく責任感もにじむ。そんな井上に「現在のフェーズ」を尋ねてみると、これまでとは違う立ち位置にいると答えた。


 「今までは自分の基盤を作って、グループが大切にしてきたものをしっかりと守ってきたような期間だったと思います。昨年後輩が入ってきたのですが、ここからは後輩のためにも、グループのためにも、“乃木坂46を発信していくフェーズ”に入ったんじゃないかなと。5月にご卒業された先代キャプテンの梅澤美波さんや、(井上が3代目パーソナリティーを務める)『乃木坂46のオールナイトニッポン』の前任の久保史緒里さんらたくさんの先輩方は、これまでもいろんな作品に出演されたり、さまざまな機会を作ってくださりと、乃木坂46を外へ外へと広げてくださいました。わたし自身できているのかは分かりませんが、なんだか『できるようになりなさい』と言われているような気がして。なので、わたしも先輩たちのように乃木坂46を広げるタイミングに入ったんだと思っています」。

 穏やかな口調ながら、その一言一言に芯の強さがにじむ。グループをけん引する覚悟が見える一方で、幼い頃は弟と一緒に、バズ・ライトイヤーと『カーズ』のライトニング・マックィーンを戦わせていたという、アンディやボニーさながらの想像力豊かな遊び方もしていたというエピソードも披露。

 加えて、小さい頃から大切にしてきたクマのぬいぐるみを実家から持ち出し、今でもベッドの横に置いてあるという等身大の一面もあり、「その子を連れていろんなところに遊びに行ったという思い出があるわけじゃないのですが、離れるとちょっと不安になるなと。抱きかかえて眠るようなサイズではなく、両手に収まる大きさなのですが、そばにいてくれるんです」と明かす。

映画『トイ・ストーリー5』日本版本ポスター (C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
 おもちゃを大切に思う心や仲間を思いやる真っすぐな人柄は、『トイ・ストーリー』シリーズが一貫して描いてきたテーマとも重なる。スナッピー役を引き寄せたのは、作品世界に自然と溶け込む芝居だけでなく、井上自身の持つ人間的な魅力もあるのではないか。そうした符合は、まるで運命的なめぐり合わせのようにも映る。(取材・文:阿部桜子 写真:上野留加)

 アニメ映画『トイ・ストーリー5』は公開中。

2ページ(全2ページ中)

この記事の写真を見る

イチオシ!

井上和

乃木坂46

トイ・ストーリー

ディズニー&ピクサー

映画

インタビュー

あわせて読みたい

[ADVERTISEMENT]

公式アカウント

おすすめフォト

【行きたい】今読まれている記事

【欲しい】今読まれている記事

【イチオシ】今読まれている記事