JO1、初の東京ドーム公演で見せた“王者の姿” そして「いつだってここから」新たな夢の始まり感じる圧巻の光景【ライブレポ】
■「飛べるから」で零した涙
気が付けば明るかった会場もすっかり暗くなっている。アンコールでは、JAMの「ナナナ」と歌う声に迎えられ、メンバーがフロートに乗って会場中に笑顔を届ける。フロートが“イカつめ”なのがなんともJO1らしい。
5年前のデビュー曲「無限大(INFINITY)」をRockアレンジした「無限大(INFINITY) 2025」を披露した後のMC、川西は「矛盾しているなって思って」と切り出した。「上に行きたい大きな会場でやりたい」思いがありつつも、近くで会いたい、一緒にいたいが矛盾してしまって悔しいとの思いを吐露。しかし、JO1は絶対帰って来ると宣言すると、「ただいま」と「おかえり」をいつまでも言い合いたいと約束し、「ライブが終わる瞬間にJO1の第1章が終わって、第2章が始まると思います。一緒に行こうよ!」と呼びかけた。
また、川尻はこれまでの道のりを振り替えり、「前にすすんで、ここ(東京ドーム)に旗をさしました」と語ると、感極まってしまい何度も後ろを向く。それでも涙をこらえて最後は叫んだ。「立てた旗を増やしていけば、後ろを振り向いた時にきれいな景色が待っていると思います。たくさん旗を立てていこうぜ!」。
ラストは、ライブ初披露となる「飛べるから」。金城が静かに涙を流していたのに気が付いた川西が、そっと肩を抱きしめた。この曲はJO1のドキュメンタリー映画「JO1 THE MOVIE『未完成』-Go to the TOP-」の主題歌であり、当時のリリース版の収録の際、金城は活動を休止していた(『BE CLASSIC』に11人ver.が収録)。この時の金城の思いを想像するのは野暮だと思うので頭の中にとどめておきたい。ただこの日、11人で披露した「飛べるから」は美しく、力強く、とても頼もしかった。
ここで終わりかと思いきや最後はダブルアンコールで、メンバー全員が作詞に参加した「Bon Voyage」を披露。與那城が惜しむようにステージを去った終演後には、サプライズでドキュメンタリー映画第2弾「JO1 THE MOVIE『未完成』-Bon Voyage-」の全国公開が発表され、JAMの歓喜の声が響き渡っていた。
アンコールで披露した「飛べるから」の歌詞にはこうある。「いつだってここからさ」。その言葉こそ、これまでのJO1の歩みを象徴するかのよう。東京ドームを満員にしたという素晴らしい「結果」さえも、彼らの物語の「過程」となったと感じる日がいつか来るのだろう。そう思わせてくれるくらい、この日の彼らの姿からは、さらなる未来が待っていると感じさせてくれた。いつまでも未完成の彼らだからこそ、いつだってここから、限りない未来を見せてくれると信じて。この先もその歩みを見届けたい。
追記として、東京ドームで輝かしい光景を見せてくれたJO1が、4月28日(月/現地時間)に、アメリカのドジャー・スタジアムで行われるMLB「ロサンゼルス・ドジャース vs マイアミ・マーリンズ」のイベント『Japanese Heritage Night(ジャパニーズヘリテージナイト)』に登場し、パフォーマンスをすることが決定した。ドジャースには、大谷翔平や山本由伸、佐々木朗希選手ら3人の日本人が活躍中。ステージでの共演も期待されるが、何よりも東京ドームという大舞台に立ったばかりの彼らが、今度はアメリカの大舞台に立つというスピード感に驚きを隠せない。彼らの羽ばたきは止まらない。どこまでも「Go To The Top!」の精神で駆け抜けてほしい。