2PM・ジュノ、『赤い袖先』で俳優としてもトップスターに! ツンデレだけじゃない“王の魅力”を体現
ラブロマンス時代劇『赤い袖先』は、朝鮮王朝史に輝く稀代の名君イ・サンの人生を、1人の女性を愛した男としての側面から描き、空前のシンドロームを巻き起こした大ヒット王宮ロマンスだ。そんな朝鮮の王イ・サンを演じたのは、本作が除隊後復帰作となった2PMのジュノ。唯一無二のカリスマ性、国を背負う苦悩と孤独、束縛の多い恋模様まで、多様な魅せ場をすべて体現して、視聴者の心を掴み、名実ともにトップ俳優として証印を押された。今回は、印象的なシーンをいくつか取り上げながら彼が息を吹き込んだ朝鮮の王イ・サンの“抗えない魅力”に迫っていきたい。
【写真】宮女ドギムに寄り添う“王”イ・サン ジュノの優しい眼差しの虜に!
■威厳あふれる“王”と“恋する男”の姿のギャップに注目
物語序盤、世孫(王の孫)で時期君主として育ったサンは、これでもか!というほど“ツンデレ王子”の定石を取り揃えている。例えば、完璧主義で自他に厳しく、冷淡な言葉で下の者たちを恐れさせているという取扱い要注意人物。同じツンキャラでも、その口調はジュノが過去の出演作『ただ愛する仲』や『油っこいロマンス』で見せた粗野で荒っぽいものとは異なり、傲慢だが威厳と知性が漂い、有無を言わせない。
(C)2021MBC
そんな彼が一人の宮女ドギム(イ・セヨン)と“最悪の出会い”をすることから物語が始まるわけだが、思ったことはポンポンと口にする怖いもの知らずのドギムの前で調子は狂いっぱなし。普段のように上から目線で命じれば注意され返され、誤解されて怒り心頭なのに「ご立派です」と逆に褒め返され、眉がつった状態から、表情が崩れていく様に見ている方はニヤニヤが止まらない(この微妙な表情は言葉で説明できないので本編で確認してほしい)。反省文を何度も書かせるなど意地悪をしては不服そうな彼女に口角があがり、気がつけばドギムの動向ばかり目が追い、姿が見えなければヤキモキし、執務中も彼女を思い出し上の空……と、“恋する男のお決まり”尽くし。
さらには、女官たちの恋バナに、「仕事中にくだらない話を!」と憤慨しつつ、ドギムが話し始めると思わず聞き耳を立ててしまう人間味も。自分でもおかしいと気づき、ドギムを前にこう話すサン。
「お前が私に振り回されたのか、あるいは私が振り回されたのか」
ジュノ自身が口にしながら、ときめいたというこのセリフに、ノックアウトされないわけがない。普段の人を寄せ付けず自身も律する厳格ぶりとのギャップで心くすぐられてしまう。
■波瀾万丈な運命を生きた王の覚悟
(C)2021MBC
イ・サンはよくある“ツンデレ王子”だけには留まらない。朝鮮王朝史に輝く聖君で、波乱万丈の人生を送った人物だ。幼い頃に目にした父の悲劇に対するトラウマと祖父・英祖への畏怖に苦しみ、自分は父のようになるまいと気を張り詰めながら人知れず努力している。反対勢力に囲まれ不安定な王宮で、ハリネズミのように針を全身から立て、容易に人に心を許さぬ彼だが、そのヒリヒリ感がスリリングであると同時に、不憫で放っておけなくなる。
特に印象的なのは、サンが誤解により祖父に激しく叱責される場面だ。必死に耐えるサンを案じるドギムに、サンは溢れる涙を抑え、「私はこの国の世孫だ。いつか力を得る」と意思を告げる。これが王になる者の覚悟か!と、彼が背負う宿命の重さが痛いほどに伝わり、その心情を真に迫る演技で見せたジュノが圧巻だ。
■宮女・ドギムへの一途な愛
最後は、徐々に確実に深まっていくドギムへの愛だ。彼女の存在の大切さに気づいて以降、抑えきれぬ想いが溢れ、切実に彼女を求めていくサン。だが、自身の人生を模索するドギムに線を引かれてしまう。怒りを爆発させたサンはドギムに詰め寄り、「お前のすべては私が決める。お前のすべては私のものだ」と語る。殺気迫る口調で言い放つサンだが、熱さを帯びた眼差しには、そうまでして得たい彼女への想いが表れ、ドキドキさせられる。
さらに、終盤、彼女の前だけで見せる柔らかで穏やかな笑顔は、幸せに満ち溢れ、感動さえする。愛をめぐり、1人の男として変化していく様があまりにも愛おしく切なく、気がつけばサンの虜に。
ツンとデレが絶妙なさじ加減で行き来する前半から、ロマンチックな一面をダダ漏れさせていく中盤、終盤の深まっていく愛情表現まで、ロマンス演技で魅せると同時に、世孫から王になっていく過程での葛藤と重みを見事に体現。史劇の名主人公を生み出したジュノは本作で「MBC演技大賞」での最優秀演技賞、ベストカップル賞をはじめ数々の賞を受賞、彼自身も惚れ込む代表作になった。
『赤い袖先』Blu‐ray&DVDは10月5日(水)リリース。同日U‐NEXTで独占先行配信開始。