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『鎌倉殿の13人』北条政子役・小池栄子、“悪女”イメージ払拭した「新・政子像」

ドラマ

■周りの人間がことごとく粛清…その時政子は


『鎌倉殿の13人』場面写真(C)NHK
 明るく笑顔が似合う政子だったが、悲しいことも次々と身に降りかかる。長女・大姫(南沙良)が心より愛した義高(市川染五郎)が殺害され、さらに大姫が病気で死去してしまうなど、政子は心を痛めることが多かった。

 頼朝が死去し、長子・頼家(金子大地)が家督を継ぐと、政子は出家し尼御台となる。そこから御家人間での権力争いが激化すると、頼家ばかりではなく、その子一幡(相澤壮太)、公暁(寛一郎)、実朝(柿澤勇人)など、ことごとく政子の周りの人間は粛清されていってしまう。

 その都度深い悲しみに覆われる政子だったが、他者を恨むことなく運命を受け入れ、日々を過ごす懐の深さとおおらかさは、小池という女優の持つ資質によるものが大きかったのではないだろうか。ここまで悲しい出来事が続いても、第45回で自身が朝廷から“従三位”という役職を得たときに、小躍りするような仕草で喜ぶ姿は、何ともほほえましかった。義時がダークになっていけばいくほど、義時にとって唯一の理解者である政子の存在は大きくなっていく。

 そんな政子も、第46回「将軍になった女」では、妹である実衣の首をはねようとするなど歯止めがきかなくなった義時の前に立ちはだかり「私は私のまつりごとをしてみたい」と「尼将軍」になることを宣言。「施餓鬼」を行い、苦しむ町民と交流を図るなど「力で押さえつける」義時の政治とは違うやり方をすることを示唆するなど、心の清らかなところを見せた。このシーンでも女子から「伊豆の豪族の行き遅れがこんなに立派になられて……」と言われ「あまり(行き遅れと)言わないで」タジタジになるシーンがあったが、その後「憧れなんです。私の友達もみんな言っています」と、政子が多くの民にも愛されている描写があった。

 公式HPにある第47回「ある朝敵、ある演説」の予告編で、尼将軍になった政子は「未来永劫西の言いなりになるか、そんな卑怯者はこの坂東には1人もいない」と強い視線で演説するシーンが映し出されている。緩急自在に『鎌倉殿の13人』を引っ張り続けた政子――最後まで彼女の生きざまを堪能したい。(文・磯部正和)

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』はNHK総合にて毎週20時放送。BSプレミアム、BS4Kにて18時放送。

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