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『silent』紬と想は別れるしかないのか? 未来を握る春尾の言葉

ドラマ

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■紬と想、ふたりにとっての「変わらぬ人」


ドラマ『silent』第10話より
 本作には、主人公たちの行く道を阻む障害として、いかにもドラマを盛り上げるために作られた感のある壁、事件などは登場しない。あくまでも、それぞれの内側から生まれた、揺れる “気持ち”をすくうことで、それが時に距離や摩擦、通じ合う瞬間を生む。このところの考察ブームに乗るように、本作でも放送のたびに「伏線回収」といった言葉が並んだが、あるのは伏線回収ではなく、あくまでも登場人物たちの気持ちを丁寧に紡ぎ、重ねてきた結果としての描写なのだ。だから響く。

 想が吐き出した「紬の(笑い)声が聞きたい」「もう聞けないなら、また好きになんてならなきゃよかった」という言葉は、まぎれもなくつらいけれど、でも閉じ込めてきた本当の気持ちをやっとさらけ出せたとも言える。想は、紬は「変わってない」と言う。そして「青羽があの頃のままだってわかるほど、自分が変わったことを思い知る」と。しかし想には変わってないと映る紬だって、そんなはずはない。職場でのつらい日々や、湊斗との穏やかな時間など、想が知らない紬がいる。紬も、たくさんのことを経験してきたうえで、笑っているのだ。一方の紬も、高校時代はただ素直に笑っていればよかったのに、その自分の笑顔が、好きな人を傷つけてしまうこともあるのだと知った。

 クリスマスイブ目前となる22日に、彼らの物語は最終回を迎える。本作のタイトルは「音のない世界で生きている人物が聖なる静寂の夜に向かう物語」をイメージしているそうだが、生きている限り、そこに到達することはない。傷つきながら、傷つけ合いながら、近づいては離れてを繰り返す。それでも諦めたら終わりだ。「変わった」かもしれない。でも想にとっては紬が、紬には想が、ほかの誰でもない、君しかいない、たったひとりの「変わらぬ」人なのだから。そして「言葉」が、なんとかしてつなごうとする光となる。ラスト、ここに生きる登場人物たちは、どんな思いを、どんな言葉でつむぐのだろう。(文:望月ふみ)

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