『鬼滅の刃』“鬼は外”って言いづらい「悲しい事情」を持つ鬼3選
2月3日の今日は“節分”。「鬼は外」という掛け声とともに、鬼を払う日だ。鬼と言えば、大ヒット漫画&アニメ『鬼滅の刃』。本日、映画『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が公開となり、4月からはアニメ新シリーズも控えている本作には、悪逆非道ではあるものの「鬼は外」と豆をぶつけるのをためらってしまうような悲しい事情を持つ鬼たちも登場する。今回は、これまでアニメに登場した「悲しすぎる事情を持つ鬼たち」を紹介していこう。
【写真】遊郭に巣食う悲しき鬼きょうだい、堕姫&妓夫太郎
■響凱 ~人間としても鬼としても“認められなかった”才能~
体から鼓が生え、筋骨隆々の巨体を持つ鬼、響凱。鬼の中でも最強の集団、“十二鬼月”・下弦の陸という高い地位を与えられながらも、徐々に人間を食べることができなくなりその能力も頭打ちに。鬼の頭領・鬼舞辻無惨に鬼としての才を見限られ、その称号をはく奪されてしまう。
作中に初めて登場した十二鬼月である響凱は、『鬼滅の刃』序盤ではかなりの強敵だった。体中の鼓を叩くことで空間を回転させたり入れ替えたりする技で平衡感覚を狂わせ、突如飛んでくる鋭い爪で切り裂くような斬撃によって獲物を仕留める。
ぼそぼそとしたしゃべり方などからプライドが高く神経質で暗い性格が伺える彼は、人間時代「売れない文筆家」だった。書いた作品を知人に読ませるも、「美しさもはかなさもすごみもない」と酷評され、挙句原稿を踏みつけられてしまった響凱は、その知人を自身の血鬼術で殺害。“誰にも認められなかった”という恨みを募らせ、鬼としての力を増していった。
そんな響凱の心を救ったのは、彼を倒した炭治郎だった。激しい戦いのさなか、炭治郎は響凱の屋敷に散らばる原稿用紙を踏まないよう立ち回る。また首を落とされた響凱に、炭治郎は「君の血鬼術はすごかった!」と称賛を贈る。人間としても、鬼としても生涯その才を認められることのなかった響凱だったが、最期に「小生の、書いたものは、ゴミなどではない…小生の血鬼術も、鼓も、認められた」とつぶやき、涙を流しながら灰となったのだった。