『変態仮面』から10年 鈴木亮平、正義と色気が似合う俳優になるまでの軌跡
◆『俺物語!!』/体重30kg増でマンガキャラを完コピ
『天皇の料理番』での壮絶な役作りでさらに知名度を高めることになった鈴木。番組が終了し数ヵ月がたった同年の10月に公開された主演映画『俺物語!!』では、まったく異なるキャラクターを熱演。
映画『俺物語!!』は「別冊マーガレット」(集英社)で連載されていた河原和音・アルコの同名コミックを実写化したラブコメディ。本作で鈴木が演じたのは常人離れした身体能力を持ち正義感にあふれているものの異性からはまったくモテない高校生・剛田猛男。原作では身長2m、体重推定120kgという巨体を演じるために、鈴木は30kgの増量を敢行。肉体改造に加えて原作にしっかり寄せたヘアメイクもあいまって、原作ファンも納得の“完コピ”ぶりをスクリーンで披露した。
◆『西郷どん』/西郷隆盛役で体重を約100kgまで増量
映画、テレビドラマの話題作に次々と出演し俳優としてのキャリアを順調に重ねていた鈴木は2018年、ついに大河ドラマに出演することに。彼にとって大河ドラマ初出演にして初主演作となったのが西郷隆盛の半生を描いた『西郷どん』(NHK総合)。
西郷隆盛の青年期以降を演じた鈴木は、晩年を演じるにあたっては体重を約100kgまで増量して撮影に挑み、その大胆な体型の変化は多くの視聴者に衝撃を与えた。
◆『テセウスの船』/殺人容疑で逮捕される悲劇の警察官
鈴木は『西郷どん』の放送終了から約1年後の2020年1月にスタートした竹内涼真主演のドラマ『テセウスの船』(TBS系)に出演。
このドラマは「モーニング」(講談社)で連載されていた東元俊哉による同名マンガが原作で、平成元年に警察官の父親が起こした殺人事件により世間からずっと後ろ指をさされて生きてきた主人公・田村心(竹内)が、事件当時にタイムスリップし、事件の真相を追う本格ミステリー。
本作で鈴木が演じたのは主人公・心の父で警察官として働く佐野文吾。劇中で鈴木は、逮捕以前の文吾と逮捕後も一貫して無罪を主張し続ける老年の文吾を熱演。優しい父にして正義感あふれる警察官でありながら、殺人事件の容疑者とされてしまうという複雑な境遇のキャラを抜群の演技力で体現。作品に奥行きを与え多くの視聴者を感動へと導いた。