“ベテラン芸人の戦い”『THE SECOND』勝手に優勝予想 セカンドチャンスは誰の手に
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第3・第4試合には、かつて関西の賞レースを総ナメにしてきたギャロップや、今大会最年長・キレのあるボケが持ち味のテンダラー、“ロックンロールコント集団”を自称する5人組の超新塾など華と実力を兼ね備えた面々がそろう。そんな中、決勝に進むのは“囲碁将棋”と予想したい。
囲碁将棋(左から)文田大介・根建太一 (C)フジテレビ
囲碁将棋の結成は2004年。ボケの文田大介とツッコミの根建太一のコンビだ。2018年からは大宮ラクーン吉本劇場にて、マヂカルラブリーやジェラードンなどとともに“大宮セブン”として舞台に立っている。2人ともスーツに黒髪といういわゆる正統派漫才師な見た目で、テレビよりも劇場を主戦場にしているが、最近では人気バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系/毎週水曜22時)に根建が数度出演したことでお茶の間の人気も徐々に付いてきた印象だ。
芸人界では、囲碁将棋の漫才への評価はものすごく高い。同じ大宮セブンのメンバーで、2020年に『M‐1』チャンピオンとなったマヂカルラブリーの野田クリスタルは、「芸人で囲碁将棋つまんないっていう人は1人もいないんで」「重要無形文化財」「わからないならわかるまで繰り返し見た方がいい」(※1)とまで言い切った。他にも、ニューヨークやオズワルドといった東京若手漫才師たちが囲碁将棋の漫才を絶賛し、脱帽する。囲碁将棋が今大会でファイナリストとなったのは、ある意味“順当”と言えるのではないだろうか。
ネタのスタイルはいわゆる“しゃべくり漫才”、お互いの掛け合いでネタが展開していく。パワフルなボケとツッコミがぶつかるストロングスタイルが魅力だ。さらに、ネタによってボケとツッコミが入れ替わったり、2人ともボケまくったり、最後に急に片方がボケたり…とそのパターンは無限。『THE SECOND』は優勝するには3本のネタが必要になるため、多彩なスタイルをもつ囲碁将棋の魅力が十分発揮できるのではないだろうか。
ネタや劇場での立ち居振る舞いは圧巻の実力を持つ2人だが、テレビに出ると「ハネない」「55点しか出せない」と4月に出演した『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系・ABEMA)で告白していた。『THE SECOND』で爪痕を残した後、テレビでも「120点」をたたき出す囲碁将棋の姿に期待せずにはいられない。
■優勝予想! 1千万円と“セカンドチャンス”を得るのは一体誰なのか
と、ここまで大変勝手な予想をぶち上げてきたのだが、実際のところファイナリストとなった8組は間違いなく全員が優勝の可能性がある実力派。正直に言えば、誰が優勝となっても納得ではあるが、『THE SECOND』初代チャンピオンは“囲碁将棋”と予想したい。
今回、ネタ時間は6分と賞レースにしては少し長め。さらに審査は、プロの芸人ではなく一般の観客が行う。この理由について、総合演出を務める日置祐貴氏はインタビューで「普段、皆さんは劇場で漫才をやられている方ですから、劇場で笑ってるお客さんが点数をつけるのが一番いいんじゃないかと」(※2)と語った。また、前述のとおり優勝までは3本のネタを披露する必要がある。これらを踏まえ、“劇場番長”と呼ばれるほどに舞台数を踏んでいつつ、ネタのパターン数も多い囲碁将棋が優勝すると予想した。
『THE SECOND』の優勝賞金は『M‐1』と同じ1千万円。今年初めて行われる賞レースだが、『THE SECOND』には賞金額同様『M‐1』と同等の影響力と夢があると信じたい。1千万円と“セカンドチャンス”をつかむベテラン漫才師は一体どの組になるのか、今からグランプリファイナルへのワクワクが止まらない。(文:小島萌寧)
※1 囲碁将棋、マヂラブも心酔する芸人が体現する「ポストM-1時代」のブレイクとは 日刊サイゾー
https://www.cyzo.com/2021/11/post_295515_entry.html(参照 2021‐11‐7)
※2 『THE SECOND』試行錯誤を重ねたルール設計「審査員が炎上するのはもう見たくない」 マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/20230517-the_second1/(参照 2023‐5‐17)