『もののけ姫』の外国人の反応は? ディズニー的勧善懲悪ではないリアルな展開に絶賛の声

本日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系/毎週金曜21時)は、スタジオジブリ不朽の名作『もののけ姫』。1997年に公開されてから四半世紀以上が経ち、日本国内ではもちろん、海外でも高い評価を受けてきた。今回は、公開当時の海外の反応や評価、そして近年のレビューサイトでの声などを紹介する。
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2020年2月、スタジオジブリ作品が初めて海外のNetflixで一斉配信された(北米・日本を除く)。これにより『もののけ姫』を含む宮崎駿監督の代表作が、ヨーロッパやアジア各国の視聴者に手軽に届くようになり、改めてその価値が国際的に注目されるきっかけとなった。
『もののけ姫』は、人間と自然との共存をめぐる物語。主人公の青年アシタカは、呪いを受けた運命を背負いながら旅に出て、山犬に育てられた少女サンや、鉄を求めて自然を切り拓く人間たちと出会う。自然と人間の対立を超えた共存の道を探ろうとするアシタカの姿を通じて、宮崎監督は環境破壊と人間の営みのあり方を壮大なスケールで描いた。
■公開当時の海外の反応
日本では興行収入193億円を記録し、当時の邦画最高記録を更新したが、北米公開(1999年)は限定的で、興行収入は約230万ドル(約33億円)と、成功とは言いがたい結果に終わった。しかし批評面では高い評価を受けている。
公開当時、シカゴ・サンタイムズのロジャー・イーバートは「今年のベスト映画のひとつ」と絶賛し、哲学的な結末や複雑な人間描写を評価。Varietyでは「西洋アニメと正反対のアプローチ」と作品の独自性に着眼した。英The Guardianでは、自然と人間の衝突を神話的に描いた物語を「シンプルかつ力強い」と評し、映像美を称賛。一方The Washington Postは、ビジュアルは鮮やかだが「長すぎて分かりづらい」と批判的な見解だった。
このように、圧倒的なビジュアルと深いテーマ性は絶賛される一方、娯楽性やわかりやすさを求める観客からは難解さを指摘された。
■Rotten Tomatoesでの評価
『もののけ姫』は現在、海外批評サイトRotten Tomatoesで批評家スコア93%、観客スコア94%を獲得している。
観客レビューには、「人生で最高の映画のひとつ!」「ジブリ作品の中で一番好き」 など、熱烈な支持の声が並ぶ。一方で「長くて抽象的」という否定的な意見もわずかにあるが、大多数はその芸術性を支持している。
■海外での捉えられ方
『もののけ姫』は海外で「環境破壊と人間の営みを描いた普遍的な寓話」として受け止められている。欧米の批評家は、ディズニー的な勧善懲悪の物語ではなく、善悪が入り混じる複雑な人間模様を描いた点を評価。とりわけ、アシタカとサンが最終的に共に生きられない結末は、「ハリウッドでは見られないリアリズムと哲学性」として高く評価されている。
また、欧州では「オヴィッド(古代ローマの詩人)やホメロス(古代ギリシャの叙事詩人)を想起させる神話的叙事詩」として文学的な文脈で語られることも多く、日本アニメが文化的価値を持つ作品として認知される契機にもなった。
『もののけ姫』は公開当時、北米での興行収入こそ伸び悩んだものの、批評面では大きな評価を得ていた。そしてNetflix配信以降、世界中の観客に再び観られることで「普遍的なテーマを持つ傑作」としてその存在感を強めている。環境と人間の関係を問いかけるその姿勢は、公開から25年以上経った今も国際的に高く評価され続けている。