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福山雅治×大泉洋『ラストマン』最強バディが帰ってくる! “あて書き”が生んだ名キャラを今こそ深堀り

ドラマ

◆悪に対する怒りと恐れ。そして変化していく心太朗を巧みに見せる大泉

 大泉が演じるのは、そんな皆実のアテンドを命じられ、振り回されながらも、やがて自らの意志でバディになることを選択していく心太朗。代々、警察庁長官を務め上げてきた護道家の次男という家柄と、東大法学部卒という優秀さがありながら、キャリアではなく現場の道に進んだ人物である。犯人を捕らえるために行き過ぎた捜査をするため、仲間たちからは孤立してきた。

 大泉といえば、普段の陽気さから、イメージ的にコメディ演技が浮かびがちだ。もちろんそうした芝居における破壊力はこの上ないが、同時に、近年で挙げればNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の源頼朝など、重厚な芝居の実力も知られるところ。『ラストマン』では特に序盤、ある理由から悪に対して異常なまでの怒りと恐れを抱く心太朗を、少しばかりの乱暴さを加えながら成立させてみせる。

ドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』場面写真(C)TBS
 やわらかいようでいて、その実、強引に人を巻き込みながら捜査を進めていく皆実との出会いを最悪なものに感じていた心太朗だったが、心太朗ももともと優秀な男である。皆実の“ラストマン”たる実力を前に、第2話にして「私は皆実さんのことを利用することに決めました。あなたと一緒なら相当無茶な捜査ができる」と宣言する。また、ユーモアを覗かせるには難しい心太朗にも、大泉のバランス力で随所に小さなユーモアを感じさせるのがさすが。さらに心太朗は、皆実との関係性や心の内など、変化していくキャラクターであり、そこも巧みに見せる。

 さて、心太朗が皆実のアテンドを務めることになったのは、もともと皆実からの指名だった。さらに皆実は、心太朗の実父で無期懲役囚の鎌田國士(津田健次郎)への面会を請求していた。連続爆破に、絞殺による殺人事件、大物俳優が容疑者の殺害事件など、各話で発生する事件を解決しながら、大きな縦軸が進む。脚本自体の力はもちろんだが、物語が進むごとに、皆実と心太朗が福山と大泉だからこその相乗効果を生み出していく。最終話まで見終わるころには、きっちりかみ合う凸凹になっている2人。そのバディの始まりを、あらためて1話からチェックしたい。(文・望月ふみ)

 ドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』は、U‐NEXTにて全話配信中のほか、TVer、TBS FREEにて配信中。TBS公式Youtubeチャンネルでは第1話を期間限定で無料配信中。

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