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福山雅治×大泉洋『ラストマン』連ドラから2年半――今も現実社会に突き刺さるテーマ3選

ドラマ

◆第8話 SNS社会に一石“ネット私刑”が大事件に

 さらに“ネット私刑”が事件に向かわせた悲劇を描いたのが第8話。皆実と吾妻ゆうき(今田美桜)の乗ったバスがジャックされた。犯人の清水拓海(京本大我)は乗客に事件をSNSで拡散するよう指示し、ライブ配信をスタート。目的は、2年前に起きた「幼稚園児置き去り死事件」の真犯人を、視聴者に特定させること。彼は、事件の犯人と同姓同名だったというだけで犯人と決めつけられ、人生を地獄に突き落とされた“ネット私刑”の被害者だった。

ドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』第8話より(C)TBS
 ジャックされたバスの運転手こそ、当該事件の運転手だったが、不起訴になっていた。清水は銃を手に配信を見ている視聴者に叫んだ。「俺が一番ムカついているのは、今これを見て楽しそうにつぶやいてるお前だよ!」「俺は今からコイツ(運転手)を処刑する。死刑台のスイッチを押したのはお前だ」と。しかし駆けつけた心太朗がさらなる真実を伝えた。不起訴には不起訴になる理由があったのだ。「お前はうわさと書き込みに踊らされて何一つ自分で確かめることもなく、こんなバカげたことをしでかした。お前も想像力もないバカなネット民と全く同じじゃねーか!」との言葉に茫然自失になる清水。

 ネット私刑の被害者でありながら、同時に彼自身が、ネットの不確かな情報に踊らされ、別の悲劇を生み出そうとしていたのだった。ネット社会の闇の深さを痛烈にあぶりだした回になった。

◆社会的問題を前に、“その人”に向き合い打破

 『ラストマン』は、縦軸に「日本型組織によって隠ぺいされた闇」という巨大な問題を描きながら、各回で横軸として痴漢えん罪や承認欲求の暴走、格差社会など、ほかにも皆が当事者になりうるテーマを放っていった。

 それを、物事を心で見る姿勢を貫く皆実が、心太朗をアテンドに、やがて真のバディとなって、事件の奥にいる“その人”に向き合って打破していった。しかし放送から2年半が経つも、『ラストマン』の突きつけた闇はますます深くなっている。(文・望月ふみ)

 ドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』は、U‐NEXTにて全話配信中のほか、TVer、TBS FREEにて配信中。TBS公式Youtubeチャンネルでは第1話を期間限定で無料配信中。

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