<15年7月期ドラマ総括>『デスノート』窪田正孝&山崎賢人ら若手俳優が活躍!

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2015年夏ドラマは原作モノが強かった。杏と上川隆也が主演を務めた『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)が平均視聴率14.5%で同期1位を獲得。またしても池井戸潤原作ドラマである。ストーリーは地位も権力もない一銀行員の花咲舞(杏)が、“臨店班”に異動し社内の事件や不祥事を解決に導くというもの。池井戸作品お得意の勧善懲悪展開ではあるが、主人公が女性であることが大きな特徴だ。仕事や勉強に一生懸命の今どき女子が鋭く切り込む姿は『半沢直樹』と『働きマン』を足して2で割ったようだった。
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続いて11.6%で平均視聴率2位を獲得したのが『デスノート』(日本テレビ系)。映画のヒットが影響し、放送前から注目度が高かったため、初回視聴率16.9%と2015年に放送された民放ドラマの中で1位だった。夜神月には窪田正孝、L(エル)には山崎賢人、N(ニア)に優希美青とそれぞれNHK「朝ドラ」経験のある若手実力派俳優たちが起用された。
原作モノを変化球的に制作し話題を呼んだのが『ど根性ガエル』(日本テレビ系)だった。1970年に連載された吉沢やすみの同名漫画は、14歳のひろしと、転んだひろしにつぶされてシャツに張り付いたカエルのピョン吉が繰り広げるドタバタコメディー。初の実写化となる同作では、ニートとなった30歳のひろしがピョン吉と共に人生をやりなおす姿を描く。ひろし役の松山ケンイチも好演だったが、ピョン吉役として声のみの参加だった満島ひかりの演技は「一切、違和感がなかった」と各方面から絶賛された。
また、若手俳優が大量にキャスティングされたのも2015年夏ドラマの特徴だ。なかでも話題となったのは『表参道高校合唱部!』(TBS系)。約1000人が参加したオーディションから選ばれた芳根京子の主演起用は世間を驚かせた。『恋仲』(フジテレビ系)も福士蒼汰と本田翼の主演コンビのほか、野村周平、太賀、山本美月、新川優愛と今後期待される俳優陣をキャスティング。初回視聴率1ケタも終盤に持ち直し、最終回は生放送という実験的な取り組みも注目を集めた。賛否両論あったが、ティーンエイジャーから絶大な支持を得ていた。
平均視聴率2桁を獲得したのが『花咲舞が黙ってない』『デスノート』『恋仲』の3作と全体的に不作だった2015年夏ドラマ。ただ、窪田正孝、山崎賢人をはじめ、今後楽しみな俳優を起用していった制作陣のチャレンジ精神は称えたい。(文:梶原誠司)