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新作上映の新システム “スクリーニング・ルーム” 米シネマコンで名監督ら賛否の声

映画

新作映画上映の新システム“スクリーニング・ルーム”を巡って意見が割れるハリウッド※イメージ画像
新作映画上映の新システム“スクリーニング・ルーム”を巡って意見が割れるハリウッド※イメージ画像(C)AFLO

 興行主とハリウッドスタジオのトップが集まる毎年恒例の「シネマコン」。今年も現地時間11日から14日までラスベガスで行われたが、一番関心を集めたのは出席していない人物だった。その人物は、ファイル共有サービス「Napster」の創業者ショーン・パーカー。フェイスブックの設立にも関わった人物で、映画『ソーシャル・ネットワーク』では、ジャスティン・ティンバーレイクが彼を演じている。彼が立ち上げようとしている新しいプロジェクト“スクリーニング・ルーム”は、50ドルを払えば新作映画を公開日に自宅でストリーミングして見られるというもの。スティーヴン・スピルバーグ、ロン・ハワード、J・J・エイブラムス、マーティン・スコセッシなどが賛同しているが、もちろん、興行主は大反対だ。

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 ハリウッドの大物の中にも反対派は多く、ジェームズ・キャメロン、ローランド・エメリッヒ、クリストファー・ノーランらは、映画はビッグスクリーンで見るべきだと主張している。シネマコン開催中、直接“スクリーニング・ルーム”の名前は出さないまでも、あらゆる重要人物が、この新しいアイデアについて触れた。

 ワーナー・ブラザースのCEOケビン・ツジハラは、今後のラインナップを紹介する前のスピーチで、「テクノロジーは発達しても、人はまだ、映画館に行くことを好む。この市場に参入する新しいものについての話題は聞かれるが、私たち(スタジオと劇場)は、第三者を間に入れることを許すべきでない」と語った。

 『ハングオーバー!』の監督トッド・フィリップスも、最新作『War Dogs(原題)』のフッテージ映像上映に先立ち、「なぜ焦って映画をテレビにしてしまう必要があるのか」と、劇場で、大勢の人たちと感動や笑いを共有することの大切さを強調している。

 ジェームズ・キャメロンは、一歩踏み込んで“スクリーニング・ルーム”を名指しし、「フィルムメーカーの仕事は、ビッグスクリーンのために作品を作ること。僕とプロデューサーのジョン・ランドーは、劇場体験を重視する。“スクリーニング・ルーム”の人たちがどう言おうが、公開日において、映画は劇場で見るものであるべきだ」と断言した。

 もともとこれは興行主向けのコンベンションであり、劇場をサポートする発言ばかりが聞かれるのは当然のこと。そんな中でも、世の中の変化に対応していかないと、いずれは取り残されるという認識があることも感じ取られた。“スクリーニング・ルーム”に賛同する大物監督やプロデューサーの多くは、投資家あるいはアドバイザーを務めており、つまり、今後は必ずこちらの方向に流れていくと信じているということだ。数年後、劇場ビジネスはどう変わっているのだろうか。

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