アーティストの危機! “2016年問題”は首都圏だけの問題ではなかった

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“2016年問題”というフレーズを、耳にしたことがある方も多いだろう。この2016年問題とは、「この年に、首都圏を中心とした劇場やコンサートホールが改修工事で閉鎖されるのに伴い約5.5万席が一時的に不足する」と言われている会場不足の問題で、昨年11月にはこの問題の深刻さを訴えようと、各種芸能団体が共同で記者会見を開いた。そして、この会場不足は、何も首都圏に限ったことではなく、地方でも問題となりつつあるのだ。
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まず、2016年問題が、ここまで声高に叫ばれている背景には、音楽業界の現状に大きく関係があることを知っておきたい。コンサートプロモーターズ協会の発表によると、2015年のライブ・エンタテインメント市場調査の結果、総公演数は前年比107.1%の2万9546本、総動員数は前年比111.5%の4753万3118人、市場規模は前年比115.9%の約3186億円と、市場の拡大傾向は継続している。一方、日本レコード協会が『日本のレコード産業2016』で発表したオーディオレコード生産実績はというと、数量は前年比98%の約1億6965万枚、金額は前年比98%の1826億円、有料音楽配信では数量が前年比91%の1億7800万ダウンロード、金額が前年比108%の471億円と、実績は前年を上回ったものの、市場は緩やかに右肩下がりを続けている。
つまり、音楽業界はCDが売れないからライブで回収という構図ができあがっており、ライブホールが足らないとコンサートが開けず、物販の売上も見込めないため、より一層収益は低下。アーティストの死活問題となってくるわけだ。