ヒットし過ぎて放送禁止に!? 中国エンタメの“今”を物語る時代劇ドラマとは?
また、『瓔珞(エイラク)』に関しては、インターネット配信だけの“Webドラマ”だったことも特筆すべきことだろう。中国では今、若い世代を中心に動画配信サービスでドラマを観る習慣が根付いてきており、バジェットが大きくクオリティも高いWebドラマが続々ヒットを飛ばしているのだ。
こうしたWebドラマのヒット作はさらなる需要を見込まれて後からTV局が放送に乗り出すこともある。本作もSNSでのコメント閲覧数が134億を超え、各メディアが特集を組む社会現象となるほどの大ヒットを受けてTV放送の予定があったにも関わらず、放送が見送られた。
理由としては、封建時代の皇族の美化などが挙げられていたが、うがった見方をすれば、特定の作品がこれほどまでに大きな社会的影響力を持ったこと自体が、警戒されたといえるかもしれない。それでも、国内で累計再生数が180億を超えて2018年のWebドラマ「No.1ヒット」となった。
中国では近年、若い視聴者向けにマーケティングされたファンタジー時代劇も増えているが、本作は全世代、国内外の視聴者が楽しんで観られる普遍的な娯楽作であることが、ここまで大きな成功を収めることができた理由だろう。
ここ数年の日本の海外ドラマ市場での時代劇ドラマの状況を見てみても、トルコ制作の『オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~』やロシア制作の『エカテリーナ』などヨーロッパ各国で大ヒットを飛ばしたドラマが上陸して評判を呼んでおり、こと時代劇のジャンルに関してはコンテンツのグローバル化が進んでいる感がある。
そういう意味でも、日本で中国時代劇ドラマの視聴者層がさらに広がっていくポテンシャルは十分。これまで、中国時代劇ドラマを観たことがない人にも『瓔珞(エイラク)』をおすすめしたい。中国時代劇ドラマに対するイメージが変わるはずだ。
『瓔珞(エイラク)~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』DVD‐SET1 & レンタル DVD Vol.1~5、リリース中。DVD‐SET2 & レンタル DVD Vol.6~10、9月3日(火)リリース。
『瓔珞(エイラク)~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』 発売・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント (C)2018 Dongyanghuanyu Film & Television Culture Co., Ltd. All Rights Reserved