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『天国と地獄』いよいよ最終章! 残り2話で残された謎は解明されるのか?

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 師匠の人柄などから考えても、やっぱり「朔也=殺人犯」とはどこか思えない、というか思いたくない。それに、正反対の人生を送った生き別れの兄に対して感じる負い目から、日高が復讐に協力していたとも、やっぱり考えにくい。

 それに、『天国と地獄』が、名前に「月と太陽」があるとはいえ、本当に朔也と陽斗という双子の兄弟物語で終結してしまった場合、彩子は入れ替わりに使われた道具という立ち位置になってしまう。

 杓子定規で「べき子」と言われてきた彼女が、入れ替わりを経たことで人間的な変化を見せるというだけなのか…。

 そもそも日高の過去や家族構成が明かされる一方で、彩子の家庭環境は全然描かれていないことは、これまでもSNSの一部で指摘されてきた。それに、日高の実家に行ったときに見せた緊張感や戸惑いは、日高社長としてコ・アースに出社したときと比べて、ちょっと不思議な違和感があった。まるで「父親」や「家族」との関係性が希薄であるように。

 第8話ラストの歩道橋で、日高<彩子>に手錠をかけようとしながら、彩子<日高>は言う。

 「私があなたをここでつかまえれば、あなた、望月彩子は表彰モノの大手柄です。入れ替わったかいがあるというものです。そうなれば、あなたのご両親はどれほど喜ぶことでしょう。もしかしたら、最後には入れ替わっているとも知らず、こう言うかもしれませんね。“あなたが娘で本当に良かった”」。

 これは彩子が“べき子”になったことから家庭環境を推測してのセリフなのだろうか。ここまで描かれていない何かがありそうな気がしてしまうのだが。

 また、彩子が入れ替わりに選ばれた理由も、第1話の冒頭で彩子が見た、奄美大島で日高に石で殴られそうになる夢のことも全くわかっていない。この夢は、第9話とつながってくるのだろうけど。というか、やっぱり『天国と地獄』は、彩子と日高の物語であってほしいと思ってしまうという、単なる個人的な願望なのだけど…。

 他にも、積み残しはいろいろある。例えば、第1話で九十九(中尾明慶)が語っていた、ボストンで日高が連続殺人事件の容疑者に挙げられていたという話も、第4話で日高の義妹・優菜(岸井ゆきの)が語っていた、近所に住む嫌われ者のおじいさんの死亡事故も、日高を猟奇殺人犯と思わせるためだけのミスリードだったのだろうか。

 ついでに、八巻(溝端淳平)や陸など、周りの人間が入れ替わりを驚くほどすんなり受け入れた違和感も、まだまだ何かあってほしい。それに、「サイコな2人」って結局のところ、誰と誰なのか。朔也と陽斗だとしたら、事件に明確な理由があるだけに、サイコパスとはほど遠いけれど。

 ここからまだ驚くべき展開が残っていることに願いを込めて、第9話を心待ちにしたい。(文:田幸和歌子)

<田幸和歌子>
1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムをさまざまな媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。

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